初めまして。
もってぃです。
私は主に2つの仕事を担当しております。
- 機械や機器などの状態を可視化するセンサーの提案
- センサーから得られるデータと数値実験を組み合わせて解析
簡単に申し上げれば、
お客様が良いモノづくりをすべく
定量的な情報を提供することが
私の使命なのです。
センサーマニアな方に適した職務ですね。
もってぃブログの役割
- お役に立ちたいとウズウズしているが、なかなか日の目を見ないセンサー達
- もっとうまく使って欲しいと、もどかしい思いをしているセンサー達
- センサーとコンビを組むと、モリモリ力を発揮する数値シミュレーション達
を紹介していきます。
マイクロスコープって何?
今日紹介するセンサー・計測機器は・・・
「マイクロスコープ」
その横顔は
ビカビカに光っているのは照明、
黒いケーブル(画像左)に接続している黒い物体はカメラです。
この構造からお気づきかもしれませんが、
マイクロスコープとは、照明付きのデジカメなのです。
後姿は
マイクロスコープはデジカメとよく似ていますが、
大きく違う点は、
「μm(マイクロメートル)スケールでモノを見ることができる」
こと。
そのため、
肉眼の世界とは全く違う世界を写し出し、
今までは推測の域を出なかった表面状態や物理現象を可視化する
ことを得意としています。
また、画像解析や数値実験も一緒に行うことにより、
「不良品(ゆがみや傷)を自動検出する、
センサーが取り付けられていない場所の状態も可視化する」
といった大技も出すこともできます。
得意技の数々
金属編
さっそく、その技の数々を見ていきましょう。
こちらは皆さんおなじみのはさみです。
赤枠内をマイクロスコープで撮った画像がこちら。
おおおーっ。
俯瞰すると、
ピカピカ光っている中で筋状構造が複数見えていますね。
思わず感動してしまいました。
これは表面がザラザラしている証拠です。
別の場所を撮った画像がこちら。
筋状構造以外に、傷がバッチリ見えていますね(中央の緑丸)。
この画像を解析し傷を自動的に検出できれば、
今まで目をショボショボさせながらなされてきた検査を自動化できます。
こちらは圧電素子です。
圧電素子とは、金属板(黄色の部分)に力を加えると歪み、電気が流れるというものです。
金属板をマイクロスコープで見ると、こんな感じに見えます。
こちらもたくさんの筋状構造がありますね。表面がザラザラしている証拠です。
大きな筋状構造は10 μm 程度の幅をもっており、
詳細な解析を行うことにより表面粗さを推定することも可能です。
非金属編
見られるのは金属だけではないです。
こちらは種も仕掛けもない紙です。
マイクロスコープで見ると、
切断面は荒れていますね。
こういったデータと設計図を比較することにより、
期待通りの形状に加工されているか否か判断することができます。
まとめ:マイクロスコープ=細かい構造を見るセンサー
マイクロスコープを使うと、
製品が期待通りに仕上がっているか
μmスケールでチェックできます。
また、カメラとして高速度カメラをつければ、
製品が製造中にどのように変わっていくのか
動画で見ることもできます。
マイクロスコープでモノを見てみませんか。
次回は、液体や接着剤の「さらさら」感や「どろどろ」感を測る
『粘度センサー』
を紹介します。