自己組織化ってなにそれ美味しいの?

アイスブレイク

最近ボードゲームにハマっていて、いくつか買ってみています。
どちらかというと人数多めでワイワイ遊べるカードゲームが好きなのですが、、、
気づいてしまいましたね、遊ぶ人が居ないじゃないか問題に。。。

自己組織化とは

アジャイル開発チームが目指すチームの状態として「自己組織化」というものがあります。
そもそも自己組織化とはどういうことなのか、ということが今回のテーマです。
いつものごとく原典を参照してみましょう。アジャイル開発宣言です。

最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。

 アジャイル宣言の背後にある原則

はい。分かるような、分からないような表現ですね。
自己組織化が必要ですけど、結局自己組織化ってなんですか?と感じます。

では別のドキュメントにあたってみましょう。
知の集合体Wikipediaです。

自己組織化(じこそしきか、英: self-organization)とは、物質や個体が、系全体を俯瞰する能力を持たないのに関わらず、個々の自律的な振る舞いの結果として、秩序を持つ大きな構造を作り出す現象のことである[1]。自発的秩序形成とも言う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%8C%96

え、ちょっと何言ってるか分からないです。。。
もう少し一般人にも分かりやすい表現はないものか、、、
ということでスクラムガイドを見てみましょう。

スクラムチーム
スクラムチームは、プロダクトオーナー・開発チーム・スクラムマスターで構成される。スクラムチー ムは自己組織化されており、機能横断的である。自己組織化チームは、作業を成し遂げるための 最善の策を、チーム外からの指示ではなく、自分たちで選択する。機能横断的チームは、チーム 以外に頼らずに作業を成し遂げる能力を持っている。スクラムにおけるチームのモデルは、柔軟 性・創造性・生産性を最適化するように設計されている。

開発チーム
自己組織化されている。プロダクトバックログをリリース判断可能な機能のインクリメントに変える方法は、誰も(スクラムマスターでさえも)教えてくれない。

https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2017/2017-Scrum-Guide-Japanese.pdf

これは先ほどより分かりやすいですね!
ここから読み取れることとしては以下でしょうか

  • チーム自ら最適な方法を判断し行動する
  • マネージメントの主体は「誰か」ではなく「チーム」(個人個人)である

もう少し漁ってみましょうLeSS(Large Scale Scrum)のドキュメントです。
LeSSではチームを段階的に4つ定義しています。

  1. manager-lead teams  :マネージャー主導のチーム
  2. self-managing teams  :セルフマネジメントチーム
  3. self-designing teams  :セルフデザインチーム
  4. self-governing teams  :自己管理型チーム

そして少なくともLeSSでは2以上を想定しています。

LeSS implies at least self-managing teams and that means that the monitoring and managing process and progress belongs to the team and not to the manager.

https://less.works/less/management/self-managing-teams?preferred_lang=jp

訳「LeSSは少なくともセルフマネジメントのチームを意味し、プロセスや進捗の監視・管理はマネージャーにではなく、チームに属することを意味します。」

なるほど、なるほど。要約すると
「自分たちで考えて決める。進捗管理等はチーム全体の責務」ということですね。
(そのためにチケット管理システムで見える化したり、チームで振り返りを行ったりするわけです)

要は日本古来の「全員経営者目線を持て」ということですね!
(違う!急にブラック感出てきたし!)

この考え方が出てきた背景としては、ビジネス状況の変化が早すぎて最初に全部決めきることが難しいということがあります。
どうしても最初の要望がはっきり決まっているわけではなく、ふわっとした状態から始まります。
そうすると開発しながら解像度を上げていく必要があるのですが、もはやそれは特定の誰かではカバーできない。

ではチーム全員でカバーしましょう、という考え方です。
なのでアジャイル開発チームで「誰かが解像度を上げてくれるだろう」と待ちのスタイルのメンバーが居ると早々に詰みます。

誰かが考えてくれるのではありません、あなたが考えるのです。
個人個人がチームとっての最適解を考え行動する、その結果チーム全体が幸せになる。
これが自己組織化です。

今風に言うと「空気読んでなんかいい感じにやっておいて」ですね!
(ニュアンス違う!)

ただ全然違うというわけではなく程度問題です。
「アジャイルとドキュメント」
/tecblog/dev-process/agile_document/

権限移譲レベル

一言で言うと「方法を指示するのではなく、ゴールを共有する」です。

結局意識合わせ大切ですね、という当たり前の話になってしまうのですが
この「意識がずれている」ということに気づくのは実は結構難しいです。

その場合のメソッドのひとつとして「デリゲーションポーカー」というものがあります。
https://nuworks.jp/ja/product/del-poker-down/

様々なトピックに関して権限移譲レベルを7段階で確認するというものです。
やってみるとマネージャー⇔メンバー、や、メンバー間でも意識のずれがあることが分かります。
自己組織化されたチームはより上位(少なくとも5以上)を目指していくことになります。

  1. 指示する:私が彼らに決定を伝える。
  2. 説得する:みんなの納得を得ようとする。
  3. 相談する:彼らに相談し私が決める。
  4. 合意する:私と彼らが合意して決める。
  5. 助言する:私は助言するが、彼らが決める。
  6. 尋ねる:彼らが決めた後に確認する。
  7. 任せる:彼らに決定をすべて委ねる。

遠いゴール

目指すところは分かりました、明日からお願いします、ではそうはならないところが組織作りの大変な部分です。
実際「個人個人がチームに対して最適解を考え優先度を付けて対応する」というなかなかハイレベルなことをチームメンバー全員が担わないといけないということなので。。。

全てを議論していくと時間がいくらあっても足りないので、本日は必要そうなポイントを箇条書きにして終わります。
(いつかそれらのトピックをブレイクダウンして考えていきたいですね!いつかね!)

  • 環境
    • 心理的安全性
    • 権限移譲
    • 円滑なコミュニケーション
  • 教育
    • 意識改革
    • 個人の適正
    • 多能工
  • モチベーション
    • 報酬
    • 成長

まとめ

この考え方がマニュアル文化のアメリカで生まれ、空気読むことに掛けては世界トップクラスの日本人が苦手というのは気づいてみると面白いですね。
最初米Tech企業の「同じオフィスに集まって同じ時間一緒に働くことによって創造性が刺激されます」とか聞いたとき
それ昭和の日本でもやってましたやん
的な感想持ったことは秘密です。

実は日本人はポテンシャル的にアジャイル開発にとても向いているのかもしれませんね!

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