SPI等の学力試験は、学歴×友人の数?
こんにちは!
採用担当の池田です。
私は趣味でジムに通っているのですが、就活生こそジムに行くことをお勧めしますよ!自分の身体に自信が持てるようになると、間違いなく話し方や姿勢も変わります。ライザップさんと人材会社が手を組めば、それなりにウィンウィンの効果が生まれると思うので、そういう企画があればぜひ声を掛けてほしいなーと常日頃思っております(笑
さて今回は多くの就活生を悩ませる、学力試験について触れたいと思います。
数多く存在する学力試験
学力試験は主に選考の序盤で課されることが多いのですが、数年前に比べても数多くの種類が点在しているのをご存知ですか?簡単ではありますが、下記に主流の試験をまとめたので参照下さい。
- SPI
性格および能力検査(言語および非言語) - 玉手箱
性格および能力検査(言語および非言語、英語) - GAB
性格および能力検査(言語および非言語(表の読み取り)) - CAB
暗号問題 - TG-WEB
性格および能力検査(言語および非言語、英語) - クレペリン検査
作業レベルを測る - SCOA
SPIの5科目バージョン - CUBIC
5科目(言語、論理、数理、図形、英語)+性格検査
学力試験中毒になってしまう就活生
就活は明確な答えが一切無いのですが、その中でも唯一確固たる答えがあるのが、学力試験です。本人には点数は表示されないものの、解けたか解けなかったのかが感覚的にでも分かるため、自身の現在位置や成長度合いが分かりやすい学力試験にウェイトを置く方が非常に多くなってしまう傾向があるようですね。
ただ考えてほしいのが、どれだけ伸びしろがあるのかということ。学力試験の内容自体は高校卒業レベルでも十分に解ける内容(実際には中学卒業レベルでも相当数解けますが)になっているのですが、そもそも高校受験までにどれだけの時間を掛けるかご存知ですか?
ここで毎度お馴染みのフェルミ推定で算出してみましょう。今回は大学受験で費やす時間を算出してみましょう。皆さんはご自身だけで算出できますか?
ヒントとしては仮定を下記のように置くと良いかもしれないですね。今回は、細かい計算式は割愛しますが、ぜひご自身で算出できるように訓練して下さい。
仮定1 | GMARCHレベルの大学を目指す(英語・国語・日本史の3科目) |
---|---|
仮定2 | 平日と土日祝の2パターンで、勉強時間を考える(学校がある日とない日で分ける) |
仮定3 | 高校3年生の勉強時間のみ測定 |
仮定4 | 1年間で学校に通う日数を「年間35週×5日間」=175日とする |
仮定5 | 学校の授業時間は含めない |
概算ではありますが、1200時間も受験勉強に費やしていることになります。時間で見ると結構なインパクトがありませんか?
ちなみにですが、目指す大学のランクごとに分けると下記のようになるようです。
日東駒専レベル | 500時間 |
---|---|
早慶レベル | 1800時間 |
難関国立レベル | 2200時間 |
ここで何が伝えたいかというと、学歴によってこれだけの勉強量の差があるので、就活の時期に“ちょっと”勉強したぐらいでは到底追いつけないということ。例えば数学が苦手な日東駒専レベルの方は、高校時代からほとんど数学に触れていないのですが、難関国立レベルの方は高校時代に、毎日のように数学に触れていたので、そのような方に勝つこと自体、無謀な話です。
あくまで当時の記憶を思い起こすレベルが限界
では学力に自信がない方は、学力試験は捨てるべきなのか問われるとそういうわけではございません。目標としては、「数学の勉強をしていた当時の学力の記憶を思い起こすこと」が一番負荷として少ないかなと思います。
基本的に就活の学力試験は、難問が数多く出るよりも、比較的簡単な問題が膨大に出されるパターンがほとんどなので、瞬間的判断および計算能力が求められます。
そのため、お勧めの勉強方法は、
- 参考書を1冊購入し、3周は解く
- 間違えた問題について、答えを見ても分からない問題は、今後一切やらない
- 間違えた問題について、答えを見てすんなり理解出来た問題のみ、今後間違わないように理解に努める
の流れになります。
ちなみにお勧めの参考書をいくつか載せておいたので、ぜひ参考にして下さい。
- 学力に自信が無い方
【主要3方式対応】これが本当のSPI3だ! 【2019年度版】 - 学力が並みだと自負している方
最新最強のSPIクリア問題集 ’19年版 - 学力がトップクラスだと自負している方
2019最新版 史上最強SPI&テストセンター 超実践問題集
なぜ就活生は高得点を取れるのか
さて、ここで一つの疑問が出るのですが、もし上記で伝えたことが本当であれば学力に自信が無い方は大パニックですよね。そもそもSPIを特に対策なく解ける層は全体の数%程度(旧帝レベルの大学を一般入試で入った方がこの層に入りますね)しかいないので、ほとんどの就活生は学力試験に戸惑うはずです。
がしかし・・・実際には不安に思っている方は多いものの、上手く切り抜けている方が多いのも実情です。就活の最前線で学生が何をしているのかについて、今日は隠すことなくお伝えしましょう。
方法①:友人と一緒に解いている
これは就活生の間ではむしろデフォルトでやっている方が多いのではないでしょうか。主に自宅で解けるWEBテスト形式の場合は、カンニングしようと誰かに聞こうと企業には一切分かりません。例えば最近よく見かける「”クイズ王”東大生」のような方が身近にいれば、瞬殺で満点のスコアをたたき出してくれるでしょう。実際にWEBテスト代行の商売も水面下ではあり、1回10,000円等で取引されていることもあるようです。
さらにもっと詳しく伝えると、複数人で解いた方が圧倒的に有利な理由があります。それは「問題を飛ばすことができる形式」のときに有効になります。例えば30分で50問を解く場合に、ある問題でつまづいても先に飛ばして、あとになってその問題に戻ることができる形式ですね。(これが通用しない形式として、1問当たりの時間が決まっていて、飛ばしてしまうと「無回答」となる形式もあります)そのような形式の場合に複数名の体制で準備をしていれば、
- 印刷機が整っている大学の端末に集合
- 試験がスタートしたら、まずは全ての問題を回答者が印刷
- 問題を各人に分配して解いてもらう
- 終了した人から回答者に伝えて、入力する
というスクラムが組めるので、圧倒的に効率が良いですよね。
私の時代も就活時期には上記のようなことが行われていましたが、今であればスマホアプリで撮影したものを共有できるので、場所を選ばずに実施出来ているのかなと思います。
方法②:解答集を利用している
これは企業の方でも意外に知らない方がいるようですが、世の中には解答集が出回っています。ヤフオクでも1,000円から3,000円で取引されているようですし、このビジネスに目を付けたある方がそれを商売にしたところ、5,000円程度でバンバン売れていたようです(消費者庁に刺されて、結局営業停止になったようですが・・・)
これは私の知る限り、当時の慶応の学生が作ったのがきっかけとされており、それが毎年改良されて今に受け継がれているようです。(慶応の学生はほとんど持っているのではないでしょうか)
解答集はエクセル形式なので、それを開いておきながら試験をスタートさせることで、エクセルを見ればほとんど解答ができる仕組みになっています。
方法③:今年出た問題を共有している
これは最近多いのですが、LINEで就活チームなるものを作り、自分が出くわした問題を随時共有する仕組みです。
というのも、学力試験は数多くの種類があるとは言え、パターンは限られているのも事実です。そのためA社とB社で玉手箱が出される場合、A社で出た問題がB社で同じ問題が出る可能性も十分にあり得るのです。
解答集と若干似ていますが、解答集は一部最新の問題が欠けていることがあるので、それを補うための仕組みとして位置付けられています。
さらにこの手法の良い部分は、筆記試験の問題共有も出来ること。筆記試験は基本的にインチキできないのですが、会場で受けた就活生が覚えている限りの問題や回答を共有することで、多少のヒントにはなり得るでしょう。
方法④:グーグル先生やYahoo知恵袋に頼っている
学力試験で出た問題のキーワードを検索すると、意外にも解答が出ている場合があります。
友人が多い方が絶対的に有利
これは学力試験に限らずですが、就活は間違いなく友人や就活に関して相談できる方が多いほど有利になっています。特に学力試験については上記のような手法が日常的に横行しているため、1人で解くよりも圧倒的に点数は高く出てしまいますよね。
昔から揶揄されているように、「就活の学力試験は、社会性(友人の数)を試されている」と言われる所以は上記が理由となっています。
企業はこの事実をある程度知っているが・・・
就活生の間でこれほど有名なやり方なので、もちろん企業の人事側もある程度は知っています。ただ人事に聞く限りだと
- インチキして学力試験を通過しても、そんな奴は面接で見抜いて落とせる
- 友人と協力できるほど周りを巻き込めるのも、1つの重要な要素
- 学力試験なんて、選考の初期段階なので、そんなに重要じゃない
等の感想が多く返ってくるようですね。
人事としては気持ちも分からなくはないのですが、このようなことに費やしてしまう就活生が、ただただもったいないなと思ってしまうのは私だけでしょうか。このようなくだらないことに多くの時間を使っているようでは、就活自体の在り方が大きく問われるので、企業側に対策を取ってほしいものです。
※ちなみに弊社はこのような試験は一切導入せず、あくまで面接重視となっていますのでご安心下さいませ。
理想の学力試験の在り方
私が考えるに、就活での学力試験は一切廃止すべきだと思っています。もちろん基礎学力は重要ではあるのですが、インチキが横行していますし、一方で企業側が問題のパターンを相当数用意して、直接会場に来させて受けさせることは現実的に不可能でしょう。
そのため、【GPAで3未満の方は受験不可能】のようなことを実施すれば、大学生の授業への取り組みが著しく変わり、学力の底上げに繋がるのではないかと考えています。
もちろん、大学の講義自体が良くなく、実用的でないから勉強する意味が無いとの批判もあるかもしれませんが、客観的に見るに、大学生が勉強していない理由は大学側の問題ではなく、学生側に責任があると考えています。
大学が就職予備校化している現在において、産学連携で就活の在り方や大学の在り方を是正できると、今よりは良くなると考えます。今の時代は人材不足ではありますが、超人気企業(総合商社や大手広告代理店、マスコミ等)に関してはまだまだ買い手市場なので、それらの企業がGPA制度を導入してくれれば、今よりは適正な就活になるのではないでしょうか。