“コミュ障”は就活で苦労するのか?
こんにちは!
採用担当の池田です。
年末年始と言えば、ずばり福袋の時期ですね。
私は記憶の限り購入したことが無いのですが、テレビで福袋を求めて行列を成しているのを見ると、日本の1つの文化になっているんだなと思わされます。
ところで、人は感情で買い物をすると言われておりますが、その最たる例が福袋だと思っています。
決して福袋好きな方をディスるつもりはないですが、福袋の裏側について書かせて頂きます。
私の知り合いにアパレルショップに勤めている方がいるのですが、彼の店舗でも当然のごとく年始に福袋を販売するようです。
定価で買えば総額10万円するものが、何と1万円ぽっきり
みたいな感じですね。
ただ、福袋は基本的に購入者メリットより、店舗メリットの方が大きい、つまり決してお得な買い物ではないようです。
その理由は大きく2点。
1点目が、在庫処分のためだから。
これは皆さんも何となく想像できると思いますが、福袋は店舗都合で売りたい商品、つまり処分したい商品を詰め込んで販売します。
アパレル業界にとって最も避けたいことの1つが、在庫を抱えること。
バランスシート上は「在庫=資産」ではあるものの、そもそもその裏側には必ず負債が乗ってくるので、例えばそれが銀行借り入れの場合は金利が発生するわけです。
倉庫に“金のなる木”としてどっさり服の在庫を積んであっても、結局それには金利分の費用が発生していますし、そもそも在庫を置くためのスペースにも費用が発生している。
要は、在庫が多ければ多いほど企業はお金をかけているからその分負債が大きくなってしまうわけです。
ここまで聞くと、
いやいや、だったら今後売っていけば良いだけだし、今年が無理でも来年売れば十分ペイするでしょ
と突っ込みを入れたくなるかもしれませんが、実はアパレルはそういうものではないようですね。
私はいわゆる型落ちの服(数年前のモデル)であっても、自分が良いと思えば買いますが、どうしても時代やトレンドに左右されやすい服というジャンルについては、最新のものを購入する客層が圧倒的に多いらしいので、そう簡単に売れないようです。
そういえばこの前、Supremeのボックスロゴシリーズが発売されたので、発売日(毎週土曜日の午前11時にオンライン上で新作がリリースされる)にオンラインで待ち構えていたのですが、3秒で完売でした(笑)
このように大人気ブランド/商品は一部存在するものの、世の中のほとんどのブランド/商品において全て完売することなどほぼあり得ない。
必ず在庫(普通に売っても売れない)として積み重なってしまうので、じゃあどうするかと言えば、
中身が見えない福袋
という形式で販売すれば、売れるんです。
※最近は中身が見える福袋もあるので、この限りではありません
そして2点目が、クレームが来ても全く問題ないから、になります。
これは1つ目の理由に関連しますが、
全然売れなかった商品の詰め合わせ
が福袋になるので、購入者側がいざ中身を見ると、期待値から大きく乖離しているケースがあるわけです。
こんな柄のセーター、誰が着るねん!
みたいな商品も入っていますからね。
そうなると、普通に考えられることとして、
お店の信頼/信用が落ちるから福袋は止めたほうが良いのではないか
と危惧すると思いますが、その心配はほとんどないようです。
これは実際のデータに出ているらしいですが、
- 福袋を購入する層
- 普段お店を利用している常連客層
の2つの客層はほとんど被らないようです。
確かに言われてみれば、普段から利用している店舗であれば、本当に欲しいものが出たタイミングで買いますよね。
一方、高価で手に届かないブランドやわざわざ買わないブランドが福袋という名の安売りセールを実施している場合は、
試しに買ってみようかな
となって購入することは大いに想像できます。
以上が福袋のカラクリのようですが、こんなことを言うと、気持ちが萎えて買わなくなる人がいるのかもしれませんね。
ただあくまで福袋は経済合理性だけではなく、日本の1つの文化というよりイベントなので、購入することで気分が晴れたり、楽しい気分になるのであれば十分元は取れているのかもしれません。
さて、今回はややタブーな話に触れたいと思います。
コミュ障って何?
就職活動、特に新卒の就職活動は初めて経験することだらけなので不安でたまらない方も多くいることと思います。
いくら売り手市場とは言え、人気企業は相変わらず人気ですし、誰でも大手企業に入れるかと言われればそもそも枠数は限られているので、就活生のほとんどが第一希望としている企業には落選することでしょう。
そのようなことは当事者である就活生が良く分かっているからこそ、毎年必死で就活をしているのだと思います。
ただそのような中で、就活に対して不安どころか恐怖を感じている方も一定数存在しまして、そのような方は、
コミュ障
と自認している方ではないでしょうか。
小学校とか中学校の時に耳にする言葉なのかもしれませんが、あまり聞いていて気持ちの良い言葉ではないですよね。
どうしても、コミュ障と言うワードがポジティブに捉えられることはなく、むしろ人を卑下したような意味を含んでいるのは紛れもない事実。
ところで、コミュ障ってそもそもどういう定義なのでしょうか?
Wikipediaで調べてみたところ、下記のように書かれていました。
コミュニケーション障害(コミュニケーションしょうがい)=コミュニティ障害は対人関係を必要とされる場面で、他人と十分なコミュニケーションをとることができなくなるという障害のこと。コミュ障(コミュしょう)とも称されるが、これは実際の障害とは関係なく単にコミュニケーションが苦手な人を指すネットスラングとして使われることが多い。
確かに“障害”という言葉が入っているものの、実際には病気のようなものではなく、いわゆる人と話すことが苦手だったり恥ずかしい、人見知りが強い等を総称して“コミュ障”と半ばスラング的に使っているのは非常に納得です。
ただちょっと待って下さい。
もし仮に上記の定義が真だとした場合、本当にそのような方は就活で淘汰されてしまうのでしょうか。
決して私はそう思いません。
なぜなら世間で使われているコミュ障と私が考えるコミュ障の定義に大きな違いがあるからです。
コミュニケーションの基本は相手の気持ちを尊重すること
学生時代を思い返すと、人と話すことが苦手だったり、人前に出ると極度の緊張で全く話せなくなる方は一定数いましたよね。
ただそのような方が就活で皆失敗しているかと言えば確実にNO。
※もちろん、人と一切話せない状態ではさすがに就活できないので、流暢では無くても人と会話できるレベルが最低条件となります。
ではその合否を分ける境目は何かと言うと、
コミュニケーションする相手に配慮し、伝えようとする姿勢があるかどうか
だと考えています。
一般的にコミュ障と揶揄される人は、
- 大人数での会話が特に苦手
- 自分から話すことが出来ない(相手の話を待ってしまう)
- 即座に答えられない
等が挙げられるかなと思いますが、これらは仕事で成果を上げるために十分条件ではあるかもしれませんが、必要条件ではありません。
明石家さんまさんのようなおしゃべり上手でない限り成果が出せない世の中だと、生きるのが辛くて仕方ないですよね(笑)
ただそうは言っても、就活、特に面接はかなりハードルが高く見えてしまうのもまた事実。
自分の人生が掛かっていると言っても過言ではない面接なので、おそらく相当な緊張を感じてしまうが故に、
- 面接官の目が見れない
- 手が震えてしまう
- 質問内容を忘れてしまう
- 咄嗟の質問に固まってしまう
- 同じ言葉を何度も発してしまう
等々は起き得ますよね。
ただそんなことは正直どーでも良い。もちろん度が過ぎる場合は悪い印象を与えかねないですが、1つずつ丁寧に対応すれば良いんです。
面接官の目を見ることが出来ないならネクタイの結び目を見るなりするのも良し。目を見ようと試みるものの何度も逸らしてしまうも良し。
大事なのは、相手の目を見ようとする意欲。
そういうことを含めて、新卒の場合は頑張ろうとする姿勢が重要なんです。
質問内容を忘れてしまいがちなら、面接官に再度聞くのも良し。質問されたときにノートやPCにメモするのも良し。
大事なのは、相手の質問を聞き漏らさないようにする姿勢。
そういうことを含めて、新卒の場合はあなたの伸びしろを見るんです。
咄嗟の質問に固まるなら、素直に「30秒ほどお時間を頂いても宜しいでしょうか」と面接官にお願いするのも良し。全てにおいてスムーズなキャッチボールが正解ではないんです。
大事なのは、自分の考えを必死で伝えようとする想い。
そういうことを含めて、新卒の場合はあなたのポテンシャルを見るんです。
こんなことを言うと、私がマザーテレサみたいな寛容な人間PRをしたいだけだろとディスられそうですが、決してそんなつもりはありません。
現に、弊社では世間的に見たらコミュ障と揶揄されただろう人も採用していますが、私は一般的に使われる意味でのコミュ障の方を採用の場面でNGにすることはありません。
ただ、
相手の考えや姿勢を尊重せず、相手にネガティブな印象を与える姿勢や言動が出る方
はNGにしており、私はこのような方を“コミュ障”だと考えています。
コミュニケーション能力が高いと自負しているコミュ障さん
弊社はエンジニアがほとんどを占める会社なので、面接にはエンジニア職に応募する新卒/中途の方が多くいらっしゃいます。
エンジニアの方は、相対的に他の職種、例えば営業職に比べると人と話すことに自信がない方が多い印象ですが、どうぞご安心下さい。
その程度のことで判断するつもりは一切ありません。
ただ、私が考えるコミュ障(相手の考えや姿勢を尊重せず、相手にネガティブな印象を与える姿勢や言動が出る方)の方は残念ながらご縁が無いものと判断しております。
例えばどういう人か。
まず遅刻する方がたまにいらっしゃいますが、遅刻という事実は間違いなくネガティブな印象になってしまいますが、大事なのはその後ですよね。
私が考えるコミュ障の人は、ほぼ間違いなく言い訳から入る。
電車が遅れたとか、道に迷ったとか、会社のアクセスマップが分かりにくいことを暗に伝えたりとか、まぁ今まで色んな種類の言い訳を聞いたおかげでいくらでも私は遅刻の理由が言えるわけです(笑)。
しかも!なぜか怒っている感じの態度を出している方もいるので、これでは信用は得られません。
どんな事情があるにせよ、時間を守れなかったのであればまず謝罪するのが常識。また個人的な意見として、遅刻理由は聞かれない限り言わない方が嫌みが無くて良いと思っています。
次に表情。緊張して顔が強張ったりするのは致し方ないのですが、ムスッとした感じが表情に出てしまう方もいらっしゃるんですよね。
本人は気付いていないのかもしれませんが、見方によっては怒っているというかイライラしている感じに見えてしまうので、どうしても一緒に働きたいなとは思われません。
最後は話し方。
決して流暢である必要は一切ないのですが、どこか雑というかもったいないなと思われる印象の方は一定数いるんです。
話すスピードが早過ぎたり、声が小さ過ぎたり、敬語が使えていなかったり。。。
要は、相手に配慮していれば当然しないだろうことを平気でしている方は、確実に弊社ではNGとしています。
このような方こそ、コミュ障ではないでしょうか。
そういえば以前、中途の方の経歴書に、
コミュニケーション能力に自信があります
と書かれていた方がいたんですよ。
新卒でも最近書かないコミュニケーション能力という言葉。それを中途の方で使っていたので、これは“敢えて”書いたのかどうなのかすら分からない。
楽しみに面接してみると、ギャグで書いたのかと突っ込みを入れたくなるぐらいの方。
まず着ている服装がめちゃくちゃ皺くちゃ(笑)
服装とコミュ障は関係ないだろ!
と思われるかもしれませんが、いやいやめっちゃ関係あります。
何度も伝えているように、コミュ障の方は相手に配慮できない方なので、面接という公式な場において乱れた服装で来ることは、相手からの見られ方を意識していない方になってしまう。
客観的に自分がどう見られるのかを意識しない方は、仕事においても信用は得にくいと考えています。
そして次に、こちらの質問の意図をしっかり理解しないまま、半ば食い気味で話し始めてしまい、しかも長い。。。
面接官の私としては、聞きたいこと聞けないし、途中で話を遮られるし、時間の無駄だしという3重苦。
極めつけは、とにかくタバコ臭い。。。
タバコを吸うなとは言いませんが、このご時世だとタバコが嫌いな方も多いので、そのような想像力を働かせていないことが微妙。
このような方が自称、コミュニケーション能力に自信があるということには大いに疑問が残りました。
コミュニケーション能力=話す能力、ではない
話すことよりも聞くことが重要
というのは年を取るごとに納得するもので、聞くことのスキルってめちゃくちゃ難しい。
話すことのスキルについては様々な本で触れられており、それこそプレゼン技術はスティーブ・ジョブズの動画を見ることで様々なことを勉強出来ます。
ただ聞くスキルってあまり知られていないですよね。
なるほど
という言葉は人の話を聞いていないときに出るというのはどこかの心理学の本で読んだことがありますが、それ以外については全然知らない。
ただそれは当然で、聞くという行為は相手によって対応が変わることがベースなので、画一的なマニュアルで表すことは難しい。
でもだからこそ、その人が試されると思っているので、
コミュニケーション能力=話す能力
と思っている方は要注意でしょう。
いくら話が饒舌で初めての方にも気後れしない場合でも、結局そのような方が周りから信用されるかと言えばそんなことはありません。
饒舌が故に平気で嘘を付いたりする方はNGですし、ズケズケと相手の間合いに入り込み過ぎる方もNG。
もっと言えば、相手が嫌がる対応をすれば全てNGとなるわけなので、結局コミュニケーションは相手があってこそのもの。
それを理解した上で、話すことが苦手な方は大丈夫。
そんなのは慣れでしかないので、最初は苦しくても少しずつ近くにいる人と話す訓練をすることで成長“しか”ないです。
大学生であればアルバイトを通じて少しずつ変えられます。弊社に応募する方で、高校までの自分が嫌で、敢えて接客のアルバイトをして自分を変えようとしている方もいますが本当に素晴らしいことだと思います。
もちろん、人と話す一歩こそ相当ハードルが高く難しいことだということは重々分かりますが、あくまで少しずつで良いので変えたいと思っている方はトライしてみましょう。
逆に、話すことが得意だと思っていても、相手の気持ちや感情に寄り添うことが出来ない方は、一生気付かないまま勘違いする可能性もあるので、このような方こそ要注意。
特に年を重ねるごとに誰も注意しなくなるので、いつの間にか裸の王様になっている可能性もあります。
自分の話したいことだけ話して、人の話を一切聞かない人。
実際、社会人の方でこのような方は結構いますよね。
さて、今回はコミュ障と言う曖昧なテーマについてお伝えしましたが、改めて巷で言われている“コミュ障”の方は、どうぞ安心して下さい。
今後伸び“しろ”しかないので、少しずつ訓練していき、最も大事な「相手への配慮」を忘れなければ、あなたの良さが伝わるはず。
そんな表面的なことだけで判断するのは、採用人数と言う頭数を追っていることしか考えていない会社だけでしょう。
是非そのような会社ではなく、自分の話をしっかり聞こうとしている姿勢を感じられる面接官がいる会社は働きやすい会社かもしれません。