就活生の自己分析を大人が見たら驚愕する
こんにちは!
採用担当の池田です。
いよいよ3月の就活解禁が近づいておりますが、就活の準備は順調ですか?弊社も既に19卒向けの説明会を実施しており、数多くの方に参加して頂いております。特に修士や博士の方は研究で多忙の中の合間を縫って就活をしなければいけないので、連日睡眠不足の方も今後多くなってくることでしょう。
もしダラダラとした就活が嫌で、圧倒的な成長を求めている方は、ぜひ弊社にお越しくださいませ!
ちなみに「成長」というワードが出たので、少し寄り道しますが、私は1社目にいわゆる大企業を経験し、正直なところ、自分の“成長”には無縁な組織風土だったように思えます。ただ不思議なもので、そのような環境にいた当時は、「毎日忙しいし、難しいし、大変」だと思って過ごしていたので、一度外に出たからこそ分かったことだと考えています。
ベンチャーが全て良いとは思っていませんが、もし入社して違和感を覚えている若手社員の方がいれば、ぜひ一度転職活動されることをお勧めします。別に実際に転職するつもりがなくても、自分の市場価値を知るために練習がてらでも構いません。いざ転職活動すると、大手企業の人ほど、
- 思った以上に年収下がるんだな
- 面接で実績を聞かれたけど、そういえば何か成し遂げたっけ?
- 「あなたを採用するメリットは?」と聞かれたけど、新卒の時のように「リーダーシップがあります!」的な根性論は全く通じず、具体的な付加価値提示が出来ない自分が恥ずかしい
と感じるでしょう。
私も2社目に行く際に、適当に応募した大企業がまさか面接まで行ってしまい、根拠のない自信を持って臨んだのですが、見事撃沈しました(笑
ただ、そのような思いをするのが若ければ若いほど良いと思うので、大企業で悶々としている方は、まず動いてみてはいかがですか?
さて、本日のテーマは「自己分析」になります!過去の記事でも軽くは触れていたのですが、就活生が陥ってしまう間違った自己分析にメスを入れたいと思います。
就活生あるあるの間違った自己分析とは!?
就活が始まると、なぜか大流行する「自己分析」というワード。私は就活当時から現在に至るまで、自己分析に関してはものすごく否定的な考えを持っています。理由に関してはシンプルで、「仕事を選択するという状況下で自分を知ろうとしても、何も出てこないし分かるはずがないから」と考えているからです。
この考えに論理的根拠は正直無いのですが、もし根拠を追求するのであれば、試しに皆さんの身近にいる社会人に「新卒の時にやりたいと思っていたことが、今実現出来ていますか?」と質問してみて下さい。おそらくNOと答える方がほとんどでしょう。
理由としては単純で、「やったことがないから分からない」からです。例えばゲームが好きな就活生がゲーム業界を志望するのは、一見問題なさそうに見えますが、ゲームをplayするのと、ゲームを作ったり売ることは全く別のものだということをしっかり認識する必要があります。
例えば、私の友人に都内の某一流私大を卒業し、誰もが知っているゲーム企業に就職した方がいます。彼は昔からゲームをplayするのが大好きで、「世界中に日本のゲームを広めて、多くの人を元気にしたい!」という思いを持って入社したようです。職種は総合職で営業に配属されたのですが、入社から現在まで彼がやっていることは下記になります。
- ヨドバシカメラやビックカメラに新商品を持って行き、魅力を伝えて売り込み、店舗で販売してもらうよう交渉する(実際には企業のブランド力の大きさや絶大なるファンが大勢いるために、店舗側から断られたりすることはあり得ない話なので、新商品の伝達係みたいな仕事)
- 商品の陳列の工夫を考案&実践(これはあくまで持論ですが、CMをバンバン流す&新商品が出れば世界中のファンが勝手にSNS等で広めてくれるので、店舗の陳列を少し工夫したぐらいで、商品の売上に大きな変化があるとは思えない。シンプルに平積みすれば売れる商品なのではないかなと疑問に思っています)
- 販売戦略の立案や市場分析(大企業なので、抜本的な施策を打てるはずがなく、前例とほぼ同じことの繰り返し。また真新しい商品を作るよりも、豊富なIP資産を活用したゲームを作ることが多いとのことなので、あくまで持論ですが、元々世界中にコアファンが一定数いるために、大ゴケすることはあり得ず、過去の資産を切り崩しながらの商売にやりがいがあるのか甚だ疑問です)
少し否定的に書き過ぎましたね・・・私の友人の山●くん、ごめんなさい(笑)ただ間違いなく言えることは、友人が入社当時抱いていた「世界中に日本のゲームを広めて、多くの人を元気にしたい!」という想いは見る影もなく、「とりあえず担当した商品が目標数まで売れてほしいわ」と目の輝きを失いながら話しているということです。
こんな自己分析をしている人は注意
上記の例以外でも、一見論理的に見えるけど、残念ながら穴だらけの自己分析の事例を紹介しましょう。
学生時代に東南アジアを旅行し、世界の貧困を目の当たりにした経験から、発展途上国を支援したい!それができるのは、様々な商材を扱い、グローバルなネットワークがある総合商社だけだ!だから俺は総合商社に行きたい!
素晴らしい想いだけど、総合商社に入った後に、発展途上国の支援って具体的にはどうやってするの?
色々出来ると思うんです。単純に金銭的支援もできますし、インフラの面からも支援できますよね。または現地で豊富に取れる作物を世界中に広めたりもできるので、あらゆる面から支援することで、生活水準を上げて、GDP増加に繋げたいです。
なるほど。ただ金銭的支援であれば、金融機関があるよね?日本ならJBICがあるから、そこに入社すれば良いんじゃないかな。またインフラ面と言っても、結局商社は直に何かをするわけじゃないから、ダムや道路、橋を作りたいならゼネコンがあるし、資源の採掘だったらコマツのような重機械メーカーや日揮のようなプラントがあるんじゃないかな?
その質問、待ってましたよ!確かにおっしゃる通りですが、あらゆる面に全て関わることができるのは、総合商社だけですよね?国の発展は、1つの側面だけじゃなく、あらゆる面の支援が必要だと思うので、メーカーやプラント、ゼネコンではなく、総合商社なんです!
でも総合商社に入ったら、配属リスクがあるんじゃない?もし財務に配属されたらどうするの?
・・・それは配属面談の時に希望をちゃんと伝えますよ!
OBOG訪問で配属についてちゃんと聞いたかな?第一希望がしっかり通るって言ってた先輩ってどれぐらいいた?
それは・・・そんなに多くないかもしれないですけど、もし希望と異なる部署に配属されても、数年経ったら異動願いを出せるみたいなので、その時にしっかり伝えますよ。
その異動願いはどれぐらいの人の希望が通っているのかな?OBOG訪問で聞いてみると良いよ。ただ、少なくとも毎年100名から200名近く入社し、5,000名前後の社員がいる総合商社で、1人1人の異動願いなんて聞いていたら、現場は大混乱じゃないかな?
でも、仮に財務だとしても、結局は現場での仕事に繋がっているわけですよね?それなら財務部門で一生勤めることになっても、自分の取り組んでいることが、発展途上国の支援になっていると思えば、満足です!
それは面白い考えだね。それなら、例えば食品メーカーに就職して、安心安全な食品を届けて、多くの人の健康を支える。そして健康になった人が世界中で活躍して、発展途上国の支援を実現する。それでも良いのかな?
それはちょっと離れ過ぎです・・・やっぱり一緒の組織で同じ方向を向いている方と働くことが重要だと思うんです。。。
じゃあ、配属リスクで人生を左右されるよりも、高確率で発展途上国支援に携わることができるゼネコンやプラント、重機械メーカーでも良いんじゃないの?そういう業界でも多くの方を巻き込みながら、1つの方向に向かって仕事を十分にできると思うけど。
それは・・・やっぱり海外に行けるチャンスが多かったり、年収が高かったり、合コンでモテたり・・・
結局はそこなんじゃない?(笑)
上記は一例ですが、自己分析に自信がある人でもちょっとでも論理的に詰めると、言葉に詰まるケースがほとんどでしょう。
普通に自己分析すると、多くの人はこうなる
これも就活生あるあるなのですが、「自分ってどんな性格なのかなー」とシンプルに考えていくと、必ずと言っていいほど「俺って嫌なやつで、社会で働けないんじゃないかな」と不安に陥ること間違いないでしょう。
例えば、下記のような感じです。
- Q:どんなときに喜びを感じるのか
- A:バスケの試合で勝った時や受験で受かったときは嬉しかったなー。でも待てよ。嫌いな奴が受験で落ちたり、そいつが好きな女の子に告白して振られても嬉しかった記憶が・・・俺って嫌なやつ!
- Q:どんなときに楽しいと感じるのか
- A:中学の部活はとにかく楽しかったなー。メンバー全員と仲が良くて、チームは弱かったけど、頼られている感じもあったし。でも待てよ。授業中に先生から差されてトンチンカンな答えを言ったやつを見て笑ってたのは楽しかったな・・・俺って嫌なやつ!
- Q:嫌いなタイプの人間は
- A:機嫌が悪くなるやつは嫌いだなー。相手のことを配慮しない奴は大嫌いだなー。ノリが悪い奴は本当に最悪・・・って自分と同じ価値観じゃないやつのことはみんな嫌いなんじゃん!俺って社会でやっていけるのか?
よっぽどの楽観主義者でない限り、過去の自分を振り返ると、自分の嫌な部分が出てしまった場面を思い出してしまうものですよね。ただ、安心して下さい!みんな同じような思いをして、一度は自己分析に挫折するものですよ。
就活なんてそんなもん
私自身の就活や周りの友人の就活、そして新卒支援で関わった10,000名以上の就活を見て言えることは、入社先を論理的に決めている人はほとんどいないということです。就活生の皆さんは、内定者の先輩や若手の社員に話を聞くたびに、「みんなちゃんと考えて就活しているに、私はダメだな」と思ってしまうかもしれません。ただ、実際は全くそんなことはあり得ず、ほとんどの方はフワッと就活している、または「めっちゃ考えている」と思い込んでいる勘違い野郎なので、自分だけ取り残されていると思い込まず、自然体で臨んで下さい。
自己分析は理論武装をするだけ
とはいえ、「自己分析必要ないって言うけど、結局面接でも過去のこととかめっちゃ深堀されるから、やらなきゃダメじゃん」と思う方もいるでしょう。そのような方にアドバイスをすると、
- 伝える必要が無いことは敢えて言わない
- 足りない部分を補う
の2点で攻略すればOKです。
「伝える必要が無いことは敢えて言わない」とは
例えば先ほどの自己分析の例を再度見ていきましょう。
- Q:どんなときに喜びを感じるのか
- A:試合で勝った時や受験で受かったときは嬉しかったなー。でも待てよ。嫌いな奴が受験で落ちたり、そいつが好きな女の子に告白して振られても嬉しかった記憶が・・・俺って嫌なやつ!
例えば上記の項目で「嫌いな奴が受験で落ちたり、そいつが好きな女の子に告白して振られても嬉しかった」とありますが、こんなことは敢えて面接官に言う必要はありません。そもそもマザーテレサのような人でない限り、日常の些細な部分で嫌な感情は出ているはずなので、そんなのにいちいち気を取られること自体無駄です。「試合で勝った時や受験で受かったときは嬉しかった」という部分を要約して、「目標を立ててそれを達成したときは喜ぶ」とだけ伝えれば十分です。
なぜか就活生は、「自分の全てを伝えないといけない」と思い込んでいる方がいるようですが、敢えて自分の嫌な面を伝える必要は一切ありません。もちろん「短所は何ですか?」のようなマイナス点を聞かれた際は正直に答える必要がありますが、「私は目標に対して努力し、それを達成した時に喜びを感じます!また嫌いな友人が失敗したときを見るのも嬉しいです!」なんてアホなことを言う人はいませんよね?
「足りない部分を補う」とは
例えば先ほどの「総合商社志望」の方を例を見たときに、彼が詰まったのは「配属リスク」の質問からですよね。それであれば、OBOG訪問等で事前に先輩に相談すれば解決すると思いませんか?
基本的に就活生の論理が破綻する箇所はみんな同じです。最低限OB訪問や面接経験を積んでいれば、論理が破綻しているところや、聞き手が首をかしげているところを把握することは可能なので、
- 頑張ったことや自己PR等、メジャーな質問に答えられるよう、”自分なり”に準備する
- 第3者に自分なりの回答を伝えてみる
- 伝えた結果、何が悪かったのかを相手に指摘してもらいつつ、自分でも分析
- 分析したものを改善し、再度第3者に伝えてみる
のPDCAを回せば済む話でしょう。
就活で毎年流行る「自己分析」という未知なワード。ぜひ惑わされずに、やるべきことを淡々とこなして下さいね。