ヘッドハンティングは幹部層対象だけではない!?
こんにちは!
採用担当の池田です。
先日、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんの講演に行ってきました!単独講演ではなく、教育・教育投資絡みの講演の中の1つのコンテンツとして田村淳さんが登壇された感じです。
内容としては、
好きなこと・やりたいことをやったほうが良い
という趣旨だったのですが、僕が感心というか凄いなーと思ったのがその話術というか会場の空気作り。
やっぱりプロのお笑い芸人の方は凄いですね。
他にもスピーカーの方がいまして、ビジネス界では一流と言われている方達ではあるものの、話の仕方や流れの作り方については他の方が全く目立たないぐらい田村淳さんが圧倒していました。
もちろん、田村淳さんが有名であるがゆえに私が偏見を持って見ていることは言うまでもありませんが、そんなこと抜きにしても上手い、と思っちゃっています。
その講演は年齢が高めの層がお客様として多く、割と反応が悪い空気感だったんですよね。もちろん真面目な講演なので致し方ないですが、田村淳さんが登場しても興奮しているのは私ぐらいで、割と皆さん無反応な様子(笑)
ただそんな様子(登場時のまばらの拍手)をすぐに察知されたのか、
- 迷いの拍手、ありがとうございます
という第一声を皮切りに、
- 闇営業をしていない方のロンドンブーツです
- 芸能界が嫌い
- 今日の講演をつまらなかったというネガティブ感情で終わらせるのではなく、もし否定するのであれば自分だったらどうするかというところまで考えてほしい
等々を挟むことでお客さんが徐々に前のめりに聞くような空気感になっていきました。
おそらく、会場のお客様を見てアウェイ感を瞬時に察知し、一般層にも響くようなキーワードを入れたんじゃないかなと勝手に推測しました。
また、
- 話を噛まない
- 同じことを言わない
- 「えー」「あー」という言葉を使わない
という特徴もあったからこそ非常に聞きやすかったのだと思います。
普段私自身が説明会等で人の前で話すときに、ずーっと悩んでいることが、
活舌の悪さ
です。
昔も今もですが、話の大事なところで噛んだり、語尾がごにょごにょってなってしまうのですが、田村淳さんはそんなことが一切ない。
アナウンサーの方とは違った意味で聞きやすさを感じました。
また緊張すると、どうしても同じことを繰り返し発してしまうんですよね。。。他の登壇者の方は何度か同じ言葉や文章を発していたのですが、田村淳さんは一切そんなことが無いからこそ毎回新鮮に話を聞くことが出来る。
最後に、
えーあー症候群
ですよね。
私も意識はするものの、癖なのかどうしても文の間のつなぎとしてついつい使ってしまう。
本人は気にしなくても、聞き手側からみると「えー」「あー」が多いと正直自信が無さそうというかあまり話が入ってこないですよね。
人前で話している経験値が桁違いだからこその話術だと思いますが、改めてプロのお笑い芸人の方の凄さを痛感した経験となりました。
さて、今回はあまり知らない方も多いであろう領域についてお話しします。
日本にはまだ馴染みのないヘッドハンティング
ある日突然、非通知であなたの携帯に着信があって誰だろうと思って出ると、
あなたに興味がある企業様がいらっしゃいます。一度お会いして、詳細についてお話させて頂けませんか。
とのこと。
- ん?誰からの電話だ?
- そもそもなんで私の番号を知っているんだ?
- 私に興味があるってどういうこと?
あなたはもちろん怪しげに感じてそのまま切ろうと思ったものの、どうも引っかかる。。。
電話口で流暢に話を進める得体の知れない誰かは、どうも気持ちの良いことを言ってくれるが、核心に迫ることは一切言ってくれない。
詳しくは直接お会いした際に話しますとだけ。
良く分からないけど、これって引き抜きなのかな。。。
普段なら知らない人と会うなんて絶対にないものの、たまたま上司と上手くいっておらず、プロジェクトも思うように進まないストレスが溜まっていたので、自分でもびっくりしたことに、予定を取り付けて会うことになってしまった。
面談当日、待ち合わせ場所の某一流ホテルのロビーに向かうと、明らかに仕立ての良いスーツを身にまとい、オーラが溢れ出ている一人の男性が立っていた。
席に座り、早速電話で気になっていた“今回の要件・目的”を聞くと、
まだ社名はお伝え出来ませんが、ある米国企業が日本進出するに当たり、営業本部長のポジションを担える方を探しております。そこで、現職で高い実績を誇るあなたにぜひその責務を担って欲しいと話を頂いております。
もし興味あれば、一度会ってみませんか?具体的な仕事内容や報酬についてはそこでお聞きして頂ければと思いますが、決して悪い話ではないように考えております。
とのこと。
・・・さて、ストーリー調で書くのはやはり向いていないなと思ったのでここまでにしておきましょう(笑)
上記のやり取りは映画やドラマ等で見たことがあるかもしれませんが、ヘッドハンティングの始めの時点を描かせて頂きました。
皆さんはヘッドハンティングについてご存知でしょうか?
おそらくエージェントサービスは徐々に浸透しているので具体的な流れや進め方については分かるものの、ヘッドハンティングについては知らない方が多いですよね。
それもそのはず、一般的なサラリーマンには縁のない話であってビジネスパーソンとして高い実績がある方のみを対象にしていることが多いためです。
ただ、そもそも日本だと海外に比べてまだまだ浸透していないサービスであることも事実。
これは諸説ありますが、日本が転職というアクションに対して後ろ向きだったので、そもそもヘッドハンティングが浸透する隙間が無かったことが一番の理由かなと。
一方海外は、昔から転職が当たり前だったからこそ転職市場におけるサービスが広がりやすかったのだと思われます。
アメリカだと30年間同じ会社にずーっといることで、
今まで他の会社から一度も誘われなかったの!?
と驚かれるほど珍しいみたいですからね。
上記背景からあまり知られていないヘッドハンティングについて、今回は企業目線でその詳細をお伝え致します。
なぜ今、ヘッドハンティングが注目されているのか
数十年前から日本でもヘッドハンティングはあったものの、上記で挙げたように転職行為そのものがスタンダードではなかったことであまり浸透していませんでした。
ただ、もう一つ理由がありまして、
ヘッドハンティングの対象が幹部層だったから
というのが大きくありました。
いわゆる役員クラスの幹部層が対象になっていたので、年齢としては若くても40代、メインは50代以上だったからこそ多くの方には知られていませんでした。
さらに言えば、高額なフィーが発生するヘッドハンティングを利用できるのは自ずと大企業になり、大企業が求める人材は何だかんだ経歴としてピカピカ人材なので、さらに対象は限られてしまいますよね。
しかし昨今、20代や30代においてもその対象になってきており、より一層身近なものになってきているんです。
背景としては、
- 労働力不足によってそもそも求人を出しても人が集まらないこと
- 求めている職種における年齢の垣根が無くなっていること(昔は経営層が欲しかったのでどうしても経験年数(40代以上)で線引きされていたが、例えばITエンジニアは社会人経験が少なくても驚くほどの技術を持っていたりする方がいる等)
- 経営者で若い方が増えてきているので、若い人を採用することに抵抗が無くなっていること
などが挙げられます。
あとは、資金調達が容易になったことで創業間もないベンチャー企業でも利用しやすくなったこともあるのだと思います。
ヘッドハンティング会社に話を聞いても、名もないベンチャー企業の利用も相当数あるようですからね。
ただし!びっくりするようなフィーが掛かるのは紛れもない事実なので、もし利用される企業は最初の契約事項をよーくご確認下さい。
私は過去取引しようとしていた際に、危うくミスりそうになったことが。。。(冷汗)
企業はどのようにヘッドハンティング会社に依頼しているのか
さて、多くの方が気になるだろうことが、
そもそもヘッドハンティング会社ってどのような要望を受け、どのように候補者を探しているのか
だと思います。
それについてケースごとに説明致しましょう。
①バイネームで依頼する
これは多くの方がイメージするヘッドハンティングそのものだと思いますが、バイネーム(名指し)で欲しい方が決まっているケースですね。
例えば、プロ経営者と呼ばれる方達はほぼこれに当てはまるでしょう。
バイネームで候補に挙がるレベルなので、業界で名が知られており、誰が見ても明らかな実績を持っている方が多いですね。
仮にソフトバンクグループ会長の孫正義さんを仲間に出来るのであれば、どの企業も欲しがりますよね(笑)
もちろん孫正義さんほどでなくても、最近は様々な記事で個人の名前が売れる時代なので、
- 某有名プロジェクトを成功させたプロジェクトリーダー
- 某有名アプリを開発したWebエンジニア
- 海外企業買収に従事し、いくつもM&Aを成功させたCFO
など、日頃の記事で目にするような方も候補に挙がります。
私の知り合いのヘッドハンターは、某メガベンチャー企業の開発責任者ポジションにおいて、有名アプリを開発したエンジニアAさんが欲しいと依頼があり見事成約させたそうです。
20代で2000万のオファー
驚くような金額ですが、このレベルになると金額で動くケースは稀らしいので、事業の魅力はもちろん、経営者のビジョン等が重要らしいです。
②所属やポジションで依頼する
A企業のB部署のC案件に所属している人が欲しい
という依頼ですね。
これから新しい事業を立ち上げようとしている際、その事業において先駆的な企業が保有するノウハウが欲しい時、その事業に関わった方が欲しいという要望です。
この場合は面接に行けば落とされるケースも往々に起き得るので注意が必要ですが、従事しているプロジェクトが世間的にも注目されている領域だと引き抜きは生じやすいです。
また、クライアントから要望の挙がる企業は大抵決まっており、ここでは言えませんがIT企業ならいつも特定の数社が挙がるので、その企業に入ることで市場価値が上がる可能性は大いにあり得ますよね。
ちなみにこの場合、ヘッドハンティング会社はどのようにして候補者に接触するかと言えば、あらゆる手段を使ってその候補者にアプローチするのです。
もちろん正面突破で企業に連絡することはないですが(たまーにあるようです(笑))、今の時代はSNS等でいくらでも繋がれるのでそこから攻めたり、ヘッドハンティング会社には業界ネットワークが広い顧問的存在の方もいるので、その方にお願いして接触したりと様々ですね。
③要件に合う人を探してもらう
これはやや世間がイメージするヘッドハンティングと乖離があるかもしれませんが、欲しいスキルや要件が決まっているだけで、そこからそれに合致する方を探してもらうやり方ですね。
現在、日本でも多くのヘッドハンティング会社がありますが、一切ネットワークが無い中でゼロから候補者を探す・口説くのは無理があるので、
良い求人があればご紹介します
という事前会員登録制を採用し、そこに登録された候補者の中から探すケースが該当します。
ヘッドハンティング会社のHPに進むと、会員登録があることが多いので、そこに経歴書等を登録することで、希望に合致した求人が紹介される仕組みです。
ダイレクトリクルーティングの浸透によってヘッドハンティングとの垣根が無くなりつつある!?
ここまで説明する中で、
あれ?私も以前ヘッドハンティング会社に声を掛けられたことがある
と思った方もいるかもしれませんが、注意してほしいのがダイレクトリクルーティングとの違い。
上述した「③要件に合う人を探してもらう」は、
普通の転職エージェントと変わらないじゃん
と思われるかもしれませんが、まさにその通り。
昨今は、IT技術の発展やサービス拡充により、企業が直接個人に連絡できるようになったのでヘッドハンティングとは何を指すのかが曖昧になっているんですよね。
例えば私が今、FacebookやLinkedInを使い、エンジニアを名乗っている人にスカウトメッセージを送るのも、いわばヘッドハンティングの部類に入るのでしょう。
もちろん、バイネームで引き抜きされたからヘッドハンティングで、登録型のスカウトからの場合は転職エージェント、のような明確に線引きする意味はないのでどちらでも構わないと思っているものの、中にはそれによって騙されている人も多いんです。
というのも、皆さんが人材エージェントサービス(リクルートやマイナビ等)に登録すると、ヘッドハンターを名乗る人からのスカウトが来ることがあると思います。
詳細を知らない方であれば、
えっ?私が引き抜き???嬉しい!!!
みたいな感じで意気揚々と進めてしまうケースがありますが、残念ながらその多くが通常の転職エージェントの方が、毎日数百通打っているスカウトの1つに過ぎない場合が多いです。
今は多くの転職エージェントが転職希望者を見つけるのに苦労しているので、とにかくスカウト文面を工夫して、少しでもお金になりそうな原石(転職潜在層)を見つけるのに必死になっています。
新卒1年目の”転職エージェント社員”から、
私はヘッドハンターです。あなたの経験に惹かれまして、興味を持っている企業があります。一度会いませんか?
みたいなことが平気で起きているなんて、普通の方は知る由もないですからね。
有名ヘッドハンティング会社は数えるしかない
私が知る限り、信用のあるヘッドハンティング会社は数えるほどしかないのですが、人材サービスは参入障壁が低いからこそ、ヘッドハンティングを名乗る会社が乱立しています。
私が知る限り、圧倒的に信頼があるのはまず下記の5社。ヘッドハンティングのBIG5と呼ばれています。
- コーンフェリー
- スペンサー・ステュアート
- ハイドリック&ストラグルズ
- ラッセル・レイノルズ
- エゴン・ゼンダー
残念ながら全て外資系なのですが、これらの会社から連絡があった場合は、まず間違いなくガチのお誘いでしょう。
そもそもこれらのヘッドハンティング会社に依頼するのは、世界的企業であることが多いので、求める人材は自ずと経営クラス中心になりますが。。。
一方、日本の有名ヘッドハンティング会社もいくつかありますので、もしヘッドハンティングを名乗る方から連絡があれば、必ず所属を聞いて検索してみましょう。
決してやみくもに信用してはいけませんよ。
今回は中々馴染みのないヘッドハンティングについてお伝えさせて頂きました。
まだまだ伝え切れていないヘッドハンティングの闇もあるので、この記事のPV数が増えれば続編を書くとしましょう。
おっと、この記事を書いている途中に私用メールを見たら、
あなたの経験を見て、飲食店店長候補として迎え入れたい企業様がございます。一度直接お会いして詳細についてお話しませんか。
という何とも見当違いなスカウトメールが。。。
飲食店経験なんて一切無いんですけどね(笑)