グループディスカッションは予定調和!?

グループディスカッションは予定調和!?

こんにちは!
採用担当の池田です。

弊社では19卒の説明会を既に実施しているのですが、話を聞く限りでは就活に対する不安や危機意識は皆さん高いようですね。就活と恋愛はよく似ていると言われていますが、運やタイミング、そのときのライバルによって結果が左右される部分は本当に似ているなと思います。

当事者である就活生にとっては人生がかかっている本当に重要なものではありますが、出来ることを着実に取り組むしかないので、辛いことや嫌なことがあっても前を向いて頑張って下さいね。もし困ったことや相談したいことがあれば、私で良ければいつでもお話を聞きますよ!

お問い合わせ

さて、本題に戻りまして、就活生の多くが恐れを抱いているグループディスカッション(以下、GD)について触れさせて頂きますね。

GDを苦手としている就活生は多い

そもそもGDとはなんぞやというと、複数名が1つのチームとなり、与えられたテーマについて議論し、1つの結論を出すものになります。一見簡単そうに見えますが、相当数が苦手としているのが実情です。

その理由を私が分析するに、下記のいずれかになると思います。

①自分でコントロールできない

おそらくこの理由が一番多いのではないでしょうか。例えばエントリーシートは時間がたっぷりあり、かつ表現や言い回し、成功事例などいくらでも検索できる状況で記入するので、全く太刀打ちできないということはまずあり得ないでしょう。
一方面接は、当日の質問が分からないという点で自分自身ではコントロールできないと思われるかもしれませんが、以前のブログでもお伝えしたように、そもそも面接で聞かれる質問はある程度パターン化されています。(頑張ったことや自己PR、志望動機等)そのため、事前に徹底的に準備さえすれば、当日の面接で全く答えられないことは考えにくいことでしょう。
しかしGDに関しては、テーマは分からないですし(就活掲示板等や過去の先輩からの情報で、ある程度知ることは可能ですが・・・)、何より難しいのが当日のメンバーの性格が不明なところに尽きると思います。GD経験者に感想を聞くと、

  • 気心知れたサークルのメンバーだったら阿吽の呼吸で進められるのに・・・
  • 他のメンバーが自分の特徴を理解していないから、上手く発言出来ない
  • 相手がどういう性格か分からないから、どのように接したら気持ちよく議論を進めることが出来るのか分からない

等の嘆きが聞こえてきそうですね。

ましてや、クラッシャーと呼ばれる就活生がグループにいたら、それこそ選考通過は不可能に近いでしょう。

クラッシャーとは、支離滅裂な発言をしたり、自分の考えを一切曲げずに目立とうとするモンスター。そもそも話し合いが出来ないので、グループが一緒になった場合は半ば諦めるしかない。ちなみに自分はクラッシャーにはならないと思っている方も要注意。人生がかかった選考の場だと、変に目立とうとするあまり、クラッシャーへと変貌する方もいる。

②テーマが分からない

テーマが近年難しくなっているのも事実なので、そもそもテーマの切り口が分からないので発言できずに悔しい思いをしている方は多いのではないでしょうか。
一昔前であれば、

  • 働くとは何か
  • 就活における成功とは何か
  • 学生と社会人の違いは何か

などのように、何かしらの発言がしやすいテーマが多かったのは事実です。しかし、近年就活が悪しき過当競争が生まれていることで、社会人でも難しいようなテーマが散見されるのも事実です。
一例になりますが、

  • ●●会社が来期の利益2倍を遂げるために必要な戦略を考えよ
  • 日本へのカジノ進出における経済効果を推定せよ
  • アベノミクスの第4本の矢を考えよ

などなど。

最低限の事前知識が必要なテーマが増えていることで、議論自体は得意にもかかわらず、本質を突く発言が出来ずに落選となってしまう方も多いようですね。

③初めましての人だと緊張する

多くの日本人がそうであるように、初めて会った人と内容の濃い話なんてなかなかできるものではないですよね。ましてや選考の位置付けとなる状況では、より一層緊張感が増すので、普段であれば言わないようなことを発言したりして、自滅してしまう方は多いのではないでしょうか。

④議論に慣れていない

こちらも日本人に多いと思いますが、そもそも真剣に議論をした経験が少ない方がほとんどでしょう。近年では公教育でも議論を積極的に促す授業が増えているようですが、自然な議論というよりも、“やらされ感”の強い状況になっていると推測します。
一方アメリカでは、そもそも授業が対話式であることが多いので、自分の意見をはっきり伝えることや、相手の気分を害さずに否定するノウハウが染みついているために、ビジネス面でもその能力が活かされていることでしょう。

企業がGDを導入する目的は?

就活生側からするとあまり考える機会はないかもしれませんが、そもそもなぜ企業はGDを導入するのでしょうか。その理由は大きく2つありまして、

  1. 一度に多くの就活生を判断できるから
  2. 面接等では見ることができないポイントを判断できるから

になります。

1について
有名企業であれば数万のエントリーがあることも珍しくありません。書類選考やWEBテストで足切りすれば良いのですが、やはり対面で無いと判断できないことも多いので、面接の前にGDを導入することで、書類等では見抜けない原石を見つけるために導入しています。

2について
面接ではどうしても素の状態を見抜くことは出来ません。そこで就活生同士に議論させることで、考え方や振る舞い、話し方や表情等を総合的に判断できるGDは、企業にとっても判断材料が増えるので、導入しているのです。

GD選考は茶番化している

私自身の考え方として、GD選考そのものは良いと思うのですが、現在の在り方には大いに疑問を持っています。というのも、「GDのための議論」が横行しているからです。

その理由としては下記を見れば分かることでしょう。

【通過率100%!GDのテクニック】

  1. 相手の意見は否定せずに、議論を円滑に進めるための、「イエスバット法」を使おう
    例:●●さんの意見は素晴らしいですね。ただ私は△△だと思うのですが~
  2. スタート後は、必ず自己紹介を実施する
    例:最初に簡単に自己紹介しましょうか!私から時計回りでやっていきましょう。私は~
  3. 時間内に結論を出すために、タイムキーパーが議論の区切りを付けよう
    例:議論が盛り上がっているところ申し訳ないのですが、残り時間10分前となったので、そろそろまとめに入るために、結論の方向性を決めませんか?
  4. 発言が少ない人には、話を振ってあげよう。その際は取捨選択できる形式だとさらにGOOD!
    例:●●さんは、A案とB案のどちらが良いと思いますか?
  5. アイデアから入るのはNG!まずは定義を定めよう
    例:「コンビニの利益を上げるには」とありますが、どこの国や地域のコンビニを想定しているのか、利益と言っても売上増加なのかコスト削減なのか等の考え方の枠組みを決めませんか

上記はあくまで一例に過ぎないのですが、このような対策本が世の中に多数存在していますし、大学や先輩からも上記のようなアドバイスを受けることが多いので、いつのまにか「GD」という名の予定調和の議論が横行しているのです。

茶番化している中でどうすれば良いのか

じゃあ一体どうすれば良いのか。残念ながら就活生の立場から言えば、

  1. くだらないと思いながらも世の中のハウツー本に書かれている内容に従う
  2. 圧倒的な知識・論理性・説得力を身に付ける

の2点しかありません。

2に関しては、一朝一夕で身に付くものではないので、就活の時に対策しても無意味でしょう。そのため結局は1しかないというのが本音です。

というのも企業側の評価ポイントが変わらない限り、就活生が変わっても意味が無いからです。10年単位で見れば選考手法や評価ポイントが変わる可能性は十分にあるものの、数年単位ではおそらく大きく変わることはあり得ないので、素直に“世の中のレール”に乗るしかないでしょう。

ただ、敢えてその他のアドバイスをさせて頂くとすれば、「GD選考を実施していない企業を受ける」ことですね。就活生はなぜかGDに対して過度な不安を抱いている方が多いようですが、実は本選考で導入しているのは全体の約3割しかないとのデータが出ています。にもかかわらず就活生が過度に意識している理由としては、インターンシップで数多く経験していることが起因していると思われます。

インターンシップはかなりの企業が導入していますし、かつ通過率も非常に低く設定されているので、多くの就活生が落ちている現状があります。そのため「インターンではGDで落ちたから、何とか克服しよう!」と意気込んでしまい、本選考でもその思いを引きづったまま臨んでしまう方が多いようです。

大企業であっても本選考ではGDを導入していない企業も多数ありますので、苦手だと自負しているのであれば、敢えて逃げる方法もありますよ。

サザエさん一家の例

とはいえ、このブログを見ている方は「GDの悪い部分は分かったけど、行きたい企業の選考にあるんだから、仕方ないじゃん」と愚痴りたくなる気持ちがあることでしょう。そのお気持ちは十分に理解できますし、結局は通過しないことには何も始まらないので、1つの事例を取り上げて、具体的にアドバイスを致しますね。

テーマ:「サザエさん一家から採用するなら誰か」

さて、上記のテーマが出されたときに、皆さんはどのように議論を進めていきますか?今回は所要時間やメンバー数等は一旦考えず、純粋にテーマに対する考え方のみで見て下さいね。

さあ、実際の進め方のイメージは掴めましたか?まず自分で考えることが重要なので、まだ考え切れていない方は一旦立ち止まって考えて下さいね。

それでは1つの考え方の方向性をお伝えしましょう。GDは正解が一切ないので、下記の通りに進めたら合格ではないのですが、考え方の基礎の部分は重要ですので、ぜひ参考にして下さいね。

ポイント①:「採用する」の状況を共有する

テーマを見たときに、勝手に「新卒採用」だと思い込むのは危険です。採用すると言っても

  • 新卒採用
  • 中途採用
  • アルバイトやパート社員採用
  • サーカス団のメンバー採用
  • 月9の主演としての採用

などなど、様々な“状況設定”があるはずです。それらをしっかり共有しておかないと、議論しても一向に進みません。
※自分は勝手に新卒採用と思い、他のメンバーは中途採用だと思い込んで議論しても、全く意見が収束しないですよね。それは当たり前のことで、新卒採用と中途採用では求められる点が異なるからです。考えるための基準が不明瞭だと、いくら論理的な意見を伝えているつもりでも、メンバーは納得してくれませんよ。

ポイント②:「サザエさん一家」の情報整理

皆さんはサザエさんを知っていますか?もしかすると徐々に知らない世代が増える可能性はありますが、日本人にとってサザエさんはかなり馴染み深いアニメでしょう。

しかし、自分にとって当たり前だと思っている情報は、他のメンバーにとっては当たり前ではない可能性は十分にあり得ます。また近年は留学生も増えているので、与えられている情報についてメンバー全員が把握しているか否かの整理は必ず実施しましょう。

ちなみに、GDでは“知識として知っているか否か“はそこまで重要な評価ポイントではありません。時事テーマの場合は多少知っていることが有利になることはありますが、知らない中でもしっかり情報を整理し、必要な部分だけを切り取って議論できるかも重要な要素ですので、「俺はめちゃくちゃ知ってるんだぜ!」アピールする輩がいたら、「この人は残念だな」と割り切って、普通にスルーして下さい。

ポイント③:述部である「誰か」を正確に理解する

議論の中で最終的に何を考えるべきなのかは正確に理解する必要があります。今回の場合は、「具体的に名前を挙げる」ことまで求められているので、「カツオくんです」などのようにしっかり答えを出す必要があります。

議論が白熱して、結局結論が出なかったということもあり得ますが、基本的に結論が出ないと、相当なマイナス点になり得るので、あくまで結果にこだわって議論を進めるようにして下さい。

理想の流れ

最後に議論の理想の流れを整理するので、ぜひ参考にして下さい。

①自己紹介
→メンバーの名前は必ずメモし、議論中も出来る限り名前で呼ぶことが重要
②「採用する」の状況整理をして、一つの方向に決める
例)新卒採用→金融業界→銀行→地方銀行→一般職の前提にする
③事前に決めた方向性で求められる人物の要件を整理する
例)新卒の地銀で一般職に求められることは、「誠実でコツコツ努力できる方、さらに相手のことを尊重し人の話を聞くことが上手な方」
④サザエさん一家の情報整理
→サザエさん一家の氏名や性格的特徴を列挙する
⑤事前に決めた状況に当てはまる人を検討する
例)サザエさん一家の中であれば、フネが最も合致するのではないか
⑥まとめ
→質問に対する結論を明確にし、その理由も端的に伝えられるように整理しましょう

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

アーカイブ

カテゴリー

PAGE TOP