エントリーシートの書き方(自己PR編)

エントリーシートの書き方(自己PR編)

こんにちは!
採用担当の池田です。

今回もより実践的内容について触れていきましょう!今回は「自己PR」の書き方をメインでお伝えしていきますね。

そもそも自己PRってなんぞや?

私が就活生の時に、本当に理解できなかったこの質問。「あなたの強みは何ですか?」ってそんなの聞いてどうするわけ?ってずーーーーーっと不満に感じていました。中途なら「●●が出来ます!」と堂々と伝えられるスキルなどがあるかもしれませんが、学生までの経験を元に考えた強みって、そもそも社会に出たときに役立つのか分からないと思うことが普通でしょう。

ちなみに、就活のことを一切知らない人がこの質問をされたら、おそらく下記のような答えが多いのではないでしょうか。

  • 笑顔が良いところです!
  • 誰に対しても優しく接することができる点
  • 声が大きいところ

普通に考えたら何にも間違っていない答えなんですが、就活だと全部NGなんですよ。本当に意味不明ですよね。

私が就活の中でも特に嫌なのが、「暗黙のルールを知っていて、かつそれを遵守できるか」が試されるからなんですよ。いわゆる「空気を読む」ってやつですね。この能力は、スクールカースト制度に従って生きてきた人は得意ですが、そうでない人は「KY」と言われ、大企業にはまず内定が難しいのが実情です。

就活で求められる自己PRとは

スクールカースト制度に忠実に従って生きてきた方であれば、就活で求められる「自己PR」を、就活を進めていく中で少しずつ理解できると思いますが、一旦模範解答をさせて頂きますね。

「その強みが、入社後に会社の利益にどのように貢献できるのかが分かるもの」

この回答を読んで、「あれ?これならさっき例に挙げていた笑顔や声の大きさも利益に貢献できるから良いんじゃないの?」と思った方は多いかもしれませんね。

でもダメなんですよ。正確には「圧倒的成果を出している方であれば使える内容ですが、そうでもない就活生はダメ」なんですよね。なぜだが分かりますか?

はっきり伝えると、「相手にネガティヴな印象を与えるから」になります。

例えば、メジャーリーガーのイチロー選手に対して、「あなたの強みは?」と聞いたときに「笑顔ですね」と答えたら、おそらく聞き手のほとんどの人は「なるほど!圧倒的な成果を出す裏側には笑顔があるんですね。具体的にどういうことなのか教えて頂けますか?」と興味津々で話が続くことでしょう。

しかし一方で、皆さんが会ったことも聞いたこともない「A君」という就活生が「強みは笑顔です!」と言った場合は、「笑顔なんてみんな持ってる当たり前のものじゃん!なんかこいつ大丈夫かな」と疑ってしまい、話が終了となるケースが多いでしょう。

つまり、話し手への信頼が高ければ、どんな自己PRでも、どんな浅い発言でも信用されるのですが、聞き手側から見て、相手への信頼やリスペクトがない場合は、少しでも浅い発言をしようもんなら、即アウトになってしまうのです。

就活の面接は、基本的にネガティヴチェック(減点評価)になるので、面接官は就活生のことを疑って質問をします。その中で少しでも浅い発言があると、悪印象を与えかねないので、言葉1つ1つは慎重に選ばないと、相手に間違った印象を与えることになりますよ。

具体的にどのような自己PRなら良いのか

じゃあ一体どんな自己PRなら良いのか。それは、「就活で良く使われる自己PR5選の中に含まれているもの」になります。
おそらく理解が難しいと思うので別途詳しく説明しますが、その前に!前回の記事で書きましたが、エントリーシートの内容そのものにこだわり過ぎてはいけません。自己PRに関しては特にその姿勢が顕著に表れてしまう就活生が多いようで、下記のようにならないように注意して下さい。

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学生

池田さん、私の自己PRなんですけど、「粘り強さ」にしようと思うんですが、いかがでしょうか?

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池田

良いと思うよ!面接でしっかり答えられるように、内容に関しては深く詰めていこうね

3日後

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学生

池田さん、前回提出した「粘り強さ」だと他の就活生とかぶるので、「雑草魂」にしようと思うのですが、いかがでしょうか?

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池田

(そんな奇をてらった書き方とか全然いらないし意味ないよ・・・)それでもOKだけど、当初のままでも全然問題ないよ!

さて本題に戻すと、「就活で良く使われる自己PR5選の中に含まれているもの」とはまず何かを説明しますね。

  1. 粘り強い系
  2. 行動力系
  3. 周りを巻き込む系
  4. 気遣い系
  5. 実績系(長期インターンや起業経験等から、実際の仕事での貢献度が分かりやすい内容)

就活で成功している方の多くは、上記の5つの中のいずれかになっている場合がほとんどです。理由として、面接官も変な人材を通過させたくないので、自身の経験談を元に面接をするのですが、「以前採用して上層部からも評価が良かった人の自己PRは●●だったから、●●に近い内容を伝える学生は優秀な人だ」のように無意識のうちに考えてしまうんですよね。そのため成功パターンの自己PRは上述した5つの集約されているのが現状です。

自己PR作成手順

それでは実際の作成フローを見ていきましょう。

①強みの方向性を考える

強みの文言そのものは特にこだわる必要がないものの、強みの方向性は考えなければいけません。就活初期の頃だと、「リーダーシップはあるけど、行動力もある。でも気遣いもできるし、一体何が自分の強みなんだろう」と悩んでしまう方が多いのではないでしょうか。
そこでそれらを解決するために実施してほしいことが、「目的を達成するために、取った行動は何か」を考えることです。

例えば下記のように考えるとスムーズです。

大学時代に頑張ったこと 塾のアルバイト
アルバイトの目的・目標 担当生徒を第1志望校に合格させること
目的のために取った行動
  1. 志望校の問題を10年分解いて、出題傾向のクセを分析し、重点的に力を入れる分野を教える
  2. 心理学の本を10冊読んで、どんな接し方が生徒のモチベーション向上に繋がるのかを研究&実践
  3. 生徒が目指している志望校に通う大学生の友人にお願いし、大学の講義やサークルについて直接話してもらい、魅力付けを行う

さて上記の内容を見て、この方はどんな強みを持っていると思いますか?注目してほしいのは「目的のために取った行動」部分。ここを読んで分かることは、【粘り強さ】を持っている方ということ。コツコツ地道に努力できる姿勢の持ち主だと伝わるので、もしかするとこの方は【粘り強さ】が強みである可能性が高くなります。

これらの作業を大学時代だけでなく、ぜひ小学校時代から遡って実践してみて下さい。その中で共通する姿勢が、あなたの強みとなっている可能性が高いですよ。

②自己PR5選からフィットするワードを選ぶ

次は簡単です。①である程度自分の強みが分かったら、自己PR5選からフィットするワードを選んで終了です。

  1. 粘り強い系
  2. 行動力系
  3. 周りを巻き込む系
  4. 気遣い系
  5. 実績系(長期インターンや起業経験等から、実際の仕事での貢献度が分かりやすい内容)

表現の部分で他の就活生と被らないように修正することは問題ありませんが(「粘り強さ」を「コツコツ努力できるという表現に変えることなど)、ワードそのものにこだわってもほとんど意味を成さないので、あまり時間をかけることがないようにお願いします。

またもし修正するとした場合に、1つだけ注意点を伝えると、抽象的な表現にしないこと。良くあるNG例は、

  • コミュニケーション能力が高い
  • 協調性

の2つ。

コミュニケーション能力はそもそも広過ぎるので、もう少し意味合いの方向性を絞る必要があります。
また学生が「協調性」を使うと、ネガティブな印象を与える(自分から動かずに、周りと歩幅を合わせて行動する)可能性があるので、こちらも要注意でしょう。

皆さんが喉から手が出るほど内定が欲しい総合商社やマスコミに決まった先輩の自己PRの表現を読んでも、「目標に向かって努力できること」や「周りを巻き込んで行動できること」など、至ってシンプルな表現の場合がほとんどですよ。

③リチェックする

ワードが決まったら、面接官にしっかり伝わる内容か否かを判断しなくてはいけませんが、自分で判断できる方法を伝授しましょう。下記の3つを満たせばクリアになります。

印象とギャップが無いか

例えば、お笑い芸人のアンガールズ田中さんはご存知ですよね?「ジャンガジャンガ~」で話題となり、一風変わった風貌から非常に人気のある芸人の方です。

そこでもしアンガールズの田中さんが就活生だったとして、「私の強みは多くの方を巻き込むことができるリーダーシップです!」と伝えたら、皆さんはどう思うでしょうか?
残念ながらちょっと信ぴょう性に欠けますよね。テレビのキャラかもしれませんが、どうしても見た目の印象的に頼りない印象があるので、初対面の人からすると、「本当にリーダーシップあるのかな?」と疑われてしまう可能性があります。

以前にも少し触れましたが、人は相手の話以上に相手の印象で判断する場合が多いので、話の内容と見た目とのギャップがないかは非常に重要な要素です。

ぜひ第3者の方に、見た目と印象のギャップが無いかを一度確認してみましょう。

強みが発揮された経験が複数あるか

自己PRを伝えるときは、必ずそれを自身の経験をもとに証明しなければいけません。その際に1つの経験でしか証明できないのは危険なので、必ず2つ以上の経験を用意しておきましょう。

例えば【粘り強さ】を伝えたいときに、大学時代の塾のアルバイトでは発揮されていたとしましょう。ただし、サークルや高校時代の部活ではそれらが発揮されていなかった場合、「塾のアルバイトではたまたま「粘り強さが」発揮されただけで、この学生が本当に持っている強みではないのでは?」と疑われる可能性があります。

またそもそも強みであれば、自身が取り組んだ経験全てに活かされていると言っても過言ではないので、必ず複数の経験を用意して証明できるように準備しましょう。

強みが生まれたきっかけ

実は多くの就活生が抜けているポイントがここになります。「なぜそもそもそのような強みを持つようになったのか」は意外に多く聞かれる質問なので、自己分析の一環としても必ず用意しておきましょう。

例えば、強みが【粘り強さ】だっとしたときに、生まれながらにしてこの強みを持っていることはあり得ません。育った環境や取り組んだ活動等によって身に付いた強みだと思うので、その辺りをしっかり伝えられるように整理することが重要です。
私が担当した学生は下記のように考えていました。

強み 粘り強さ
生まれたきっかけ
  1. 中学校受験をしたときに、合格すると楽観的に思いながら適当に受験勉強に取り組んでいたら、第1志望はもちろん、滑り止めの学校に落ちてしまい、大きなショックを受けた。
  2. そこで高校受験では絶対に失敗したくないと思い、毎日勉強する習慣を付けると当時に、分からないことがあったら、都度先生に聞くようにした結果、見事第1志望の高校に合格。
結果 この経験から、しっかり準備して毎日できることを愚直に取り組む重要性を気付き、自分の姿勢となっている。

強みの書き方

さて最後になりますが、書き方になります。ただし、難しく考える必要は全くなく、「学生時代に頑張ったことは何ですか?」とほとんど同じ書き方になります。皆さんは書き方を覚えていますよね?

  • 結論
  • 状況・背景
  • 問題点
  • 具体的行動
  • 結果

また模範例も添えておきますので、ぜひ参考にしながら手を動かしてみましょう!

自己PRをお願いします
私の強みは、「目標達成に向けて粘り強く努力する力」です。私は、サークルの仲間と共に100キロマラソンに挑戦しました。1度目の挑戦は70キロで途中棄権。体力も精神力も、100キロを完走できるレベルではないことを痛感しました。そこで、「前年の3倍の距離を走り込む」という目標を立て、1年間1日も欠かすことなく10キロを走りました。普段の生活では、大学の講義、アルバイト、サークル活動があり、充分な練習時間を確保することが難しいため、朝5時に起きることで練習時間を確保しました。更に、完走者のアドバイスを参考に作成した練習メニューを基に、自ら強化合宿を企画し、周りを巻き込みながら100キロ完走という目標に取り組みました。その結果、フルマラソンを楽に走れる程の体力が付き、辛い練習を毎日続けることで精神的にも非常に強くなりました。これによって、2度目の挑戦では無事に完走を果たすことができたのです。このように、私は目標を達成するために自ら行動し、努力し続けます。

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