こんにちは。人事労務担当のインタビュアーKです。
今回は、CCTの男性育休を初めて取得したK.S.さんに話をお聞きしました。
育休を取ったご本人のリアルな体験談に加え、組織の長として感じたことも率直にお話しいただきたいと思います。
【K.S. 男性】
入社8年目
エンジニアリングプラットフォーム事業本部副本部長 兼 EP第2部部長
2020年9月下旬に第一子が生まれ、10月下旬から12月末まで、2ヶ月あまりの育休を取得
今回は、育休中の就労として認められる月80時間以内の臨時かつ一時的な就労は行う形で育休を取得
以前のインタビューはこちら
-育休を取ろうと思ったきっかけを教えてください。
育休取得を考えたきっかけは3つあります。
1つ目は、過去にお客様先のパートナーの方でお子さんの生後1ヶ月くらいの間を休んだ方がいたこと、今年(2020年)4月にお客様先のプロパーの方にお子さんが生まれ、11月まで6ヶ月くらいの育休を取っている方がいたことなど前例を見てきたことです。この経験は理由付けとして大きな要素でした。
それから、僕はすぐ仕事に時間も気持ちも割き過ぎてしまうので、育休を取らないと家庭のことをちゃんと見られないんじゃないかと思ったというのが2つめの理由。
3つ目は、EP本部には客先常駐のメンバーがいたり女性が多かったりと色々な立場や状況の人がいる中で、なかなか周りに前例がないので、僕が育休を取ることでCCTでも育休を取りやすい雰囲気ができたら、そんなことの一助になれれば良いかなという思いもあったかな。
-育休を取られた時期と期間は、どのように決められましたか?
1人で子育てするのは大変なこと、特に3ヶ月目くらいまでがしんどいとは聞いていたのですが、生後1ヶ月くらいは育休を取らずに普通に仕事をしていました。そんな中、夜泣きで僕も奥さんも夜全く眠れないといったことが積み重なり、奥さんの方が疲れてきたなというのが僕のタイミングでした。
何となく漠然と取れたら良いなという気持ちはあったけれど、最終的に本当に取ろうかなと思ったのは、やっぱり奥さんが苦しいと言うか、きつそうだったのがありましたね。
期間は、特に大変と聞く生後3ヶ月までは何とか取りたいと考えました。
-実際に取るとなったときの苦労はありましたか?
当初、育休取得が難しいと思っていた最大の理由は、いまは現場に出ていないためお客様へ直接的な影響は無いまでも、1日丸々休むことは厳しいなと思っていたことでした。実際は、月80時間までであれば臨時または一時的な就労は育休中も可能ということを知り、最大の懸念点がクリアになって、育休を取るまでのハードルはなくなりました。あとは上司の許可のみと思って相談したところ、反対は全くなく、スムーズに育休を開始することができました。
ただ、会社においても初チャレンジのことだったので、どうなっちゃうんだろうという不安は僕にも上司にもあったと思います。
とは言え、何か想定外のことが起こったとしても、どうにかできるという自信もありましたけどね。笑
それから、育休取得が難しくなかった理由の方が明確で、今回はコロナの影響もあって、営業フォローなども含めた大半の業務が既にリモートワークでできるという体制が整っていたため、僕の育休中もリモートで対応できるとイメージできたことが大きな後押しとなりました。組織の長としての仕事も、80時間以内の一時的な就労が可能であれば、リモートでどうにか対応できると思ったので。
これはタイミングとしてすごく良かった・・・ま、良かったと言って良いのかはちょっとよくわからないですが・・・・
プロジェクトを抱えている若手メンバーだと、育休取得を言い出すにはちょっと勇気が要るかなとは思います。
とは言え、お客様先との調整は上がやるべきことですし、ちょっと言い出しづらくても相談して欲しいなって思います。
話しやすい雰囲気はあると思うので。
-育休中の過ごし方を教えてください。
育児という意味で言うと、その点は奥さんの方が戦力になるので、僕は家事を中心にやっています。
ご飯は奥さんが全部作りたいということだったので僕はやらなかったですけど、洗濯や皿洗いなど、家事をやる量は、これまでより時間があるだけ圧倒的に増えました。
奥さんがどこか出かけたり、子どもの集まりがあったりしたときには僕が子どもを見るし、必要なときはミルクをあげたり、おむつ替えたりといったいわゆる育児もやりますが、とにかく家事の時間がとても多いのは、育休を取ってみて意外だったことですかね。
あ、お風呂入れるのは僕がやってます。
生まれた当初は朝入れていましたが、育休取得後は夜に入れるようになりました。
生後1ヶ月は育休を取っていなかったので、その時期は時間が固定できるという意味で朝に入れていたのですが、朝に家事やって、風呂に入れて、仕事に行くというのはやっぱり僕もしんどくなってきて、それで育休を取ったというのもありますね。
そうすると、ガチガチに決めたスケジュールではなく動けるようになり、すごく気が楽になりました。
-喧嘩はありましたか?
あまりしなかったですが、子どもができると生活のリズムが変わってくるので、とにかくよく話し合いはしました。
子どもが、想定しない動きしかしないので、、、
夜泣きはちょっと落ち着いています。うちはどちらかというと多分よく寝る子で助かっています。
最近12月に入ってからかな、子どもが安定しているとき、寝かしつけながら奥さんと桃鉄やりました。笑
仕事をしなければという罪悪感がどこかにありましたが、だからこそ、育休の後半になってようやくこういった時間を取ることができるようになったことは、本当にありがたかったです。
-育休を取ってみての率直な感想を聞かせてください。
楽しいと大変の配分を聞かれたら、楽しい方が圧倒的に多いです。
僕の場合は、育休を取らずに過ごした1ヶ月の方が大変で、むしろ育休を取って大変な部分は大分なくなりました。
これがフルタイムでずっとやっていたら相当大変だっただろうなという気はしますね。
それをやってる世のお父さんはすげえなって言うのが本音です。笑
僕としては、育休を取って、自分のペースではなく奥さんのペースに合わせてあげられるようになったというのは重要なポイントでした。
仕事をしていると、奥さんに自分のペースに合わせてもらっていることが大半で、美容室へ行くこと一つとっても僕の都合に合わせて予定を立て、申し訳なさそうに出掛ける。僕はそれに対し申し訳ないと思っていました。
育休中は、奥さんが決めた日に行かせてあげることができ、そういった一つひとつが嬉しかったです。
子どもが一旦安定するのが3ヶ月と言われているので、そこまではこんな形で、できる限り奥さんのペースに合わせながら育児を一緒にやりたいと考えました。
それから、奥さんと話す習慣ができるということは、今後も仕事と家庭を両立する上で良いことだったのかなと思っています。
さらに、子どもが未知過ぎるので、それを知る時間としてたっぷり一緒に過ごすといういう意味でも、育休を取ることはお勧めです。
-お子さんができて、意外な気付きなどはありましたか?
お母さん同士の集まりに行くと、パートナーが育休を取っているケースが結構あって、びっくりしました。
全部じゃないんですけど・・・・年齢が高めの方の方が取ってる印象はあります。
それは男性側の体力の問題もあると思いますけどね。笑
それから、男性は、子どもがいればまずみんな育児をやっているはずなのに、どのくらい大変か、何をやっていたかといったことを、仲間内で話す機会が絶対的に少ないということがよく分かりました。
話していても真剣に聞いていないというのもありますが、男性はとにかく子育てに関する情報を知らない。
実際に子どもができて、例えば子どもが泣き止まないとひたすら抱えてスクワットする、そうすると子どもが泣き止むんだけど、僕は「これで合ってるの?」って不安になるんだよね。それをお取引先の先輩パパに聞いたら「合ってます」と教えてくれて、「みんなもそうなんだ」と安心したことがあって。
こういったことは、CCT内の先輩パパもみんなやってたから知ってるのよ。聞くと、「そうですよ」と初めて教えてくれる。でも普段は決して話題に上らない。
もしかしたら女性の方がもっと話しているのかなと思った。そこは男女の差はあるのかなって。
大阪は小さい子がいるお父さんがいっぱいいるので、相談しやすくてありがたいです。
-ご両親やご兄弟など、周りの協力について教えてください。
奥さんの実家がとにかくとても協力的で助けてもらっています。
初孫でいまは孫フィーバーというのもありますが、2週間に1回くらいは面倒を見に来てくれて、日中はどこか行ってらっしゃいと言ってくれるので、すごく助かっています。
仕事をする上で、実家に近いというのはとても重要なことだなと思い、どうしても困ったら助けてもらう必要があると、僕たちは奥さんの実家の近くである大阪に移動しました。実家と住まいは車で1時間ちょっとのところにあり、来てもらいやすい環境にあります。
いままで話題にならなかったから知らなかったけど、気づいたら先輩パパたちはそれをとっくに実践してた。笑
仕事するために、みんなそれぞれ工夫してるんだなって改めて思いました。
子育てを自分たちの力だけでやって、経済的にも自立してって言うのは、かなり難しいことだっていうのがあるんだと思う。
家事って、核家族などの少人数で回すとコストが異常に高いものなんだって。
大家族で、大人数の大人がいて分担すると格段に効率が上がるけど、現代は核家族化が進んでいるから、昔のように大勢で見守るといった子育てができる環境ではない。だからとても効率が悪い。そうなると、育休などを上手く使うといった夫婦での工夫をしないと、思った以上に大変ってなるんだと思う。
家が遠かったり実家が近くに無かったりといったときに、「育休を取る」という選択肢がある訳だから、そこは難しく考えずに「育休」という選択もありなんじゃないのって思う。
実際に子どもが生まれて、育休を取ってみないと分からなかったけどね。
-男性の育休取得についてどう思われましたか?キャリアについてのお考えもお聞かせください。
育休取るか取らないかは本当に悩ましい問題で、どこに重点を置くかだと思っています。
取るも取らないも一長一短で、家庭によって何を望むかも多様なので、絶対推奨されるべきものとも言えない。
パートナーが仕事を休めば当然収入は減ってしまう訳で、奥さんとしては育休をしないでフルタイムで働いて欲しいというケースもあると思います。
いまのご時世はリモートも可能なので、育休を取らなくてもどうにかなるという考え方もありますし。
ただ、僕の場合は、1ヶ月一緒にやれば何が大変かがわかるかなと思い、育休取得を選びました。
仕事に集中している毎日だと、夜泣きされても僕は起きない、起きられない。でも、朝起きると、異常に疲れた奥さんが隣にいる。
そんな中で、申し訳なさそうに、髪を切りに行きたいんだけどって相談ベースで声を掛けられると、奥さんの方が大変なのにアンフェアだなと感じて。会社に甘えられるなら甘えちゃっても良いのかな、認められた制度を使っても良いのかなと思いました。
キャリアの問題もなくはないと思う。
ここで休んでも将来のキャリアパスに影響しないと思うまで、自分の中で醸成できていない人は取りにくいんじゃないかなと思う。
本人のあり方で結果キャリアに影響しないとも言えるけど、そう思えるようになるのはちょっと年齢を重ねてからだと思うんだよね。
若い頃はやっぱり不安、とにかく不安かなと。
そこは自分自身で選択できることが大事で、今後もどちらかを選びなさいということはきっとどこに行ってもついて回ることだと思う。
1年くらい休んだところで何とかなるって思えるなら、取れるだろうしね。
迷うなら、そこは正直ベースでパートナーと話した方が良いんじゃないかな。
家庭によって考え方はそれぞれなので、いざ取ろうというときはちゃんと家庭内で話をした方が良いと思うこと、育休はその話し合いを持つ良い機会にはなると思うというのが僕の意見かな。
結果、取らなかったとしても、そういう話ができるという雰囲気がある、実際にその話をした、そのことが大事なんじゃないかなと。
昔の僕だったら、そんな風には考えられなかったなとも思うけど。笑
-育休中の会社とのつながりについてはどうあったら良いですか?
何かしらのつながりを感じられるようなフォローは必要だと思うけど、つながりのために頻繁に会社メールをチェックしてねというのもおかしいので、連絡頻度が低くなるのは仕方ないと思う。
気の持ちようの部分が大きいので、育休開始のときに、戻ってきて良いよと言っておいてあげることが大事かな。
絶対ポジションはあるからってちゃんと言っておいてあげないと、特にCCTは客先に出ているメンバーが多いから不安に思っちゃうと思うからね。所属での開始時のこのフォローは大事だと思う。
育休中に感じる漠然とした不安への対策を、何か施策でっていうのは難しいとは思うし。
-制度や会社への要望はありますか?
制度自体は既に結構色々あるので、そこを増やすとか、変えるとかということはそんなに必要ではないんじゃないかな。
ただ、法律や規程を読むのはみんな苦手で、それから制度の使い方は組み合わせ次第って思うと、経験者による体験談や、ケーススタディといったものを提示してくれると、取っつきやすいのかなって思う。
みんな本当に育休に関する知識も情報も持ってないからね。
いまは、制度拡充よりも、制度の使い方や活用方法の浸透がうまくいっていないフェーズかなと思います。
そして、その子が育休を取りたいと思って話を持ってきたところには、ちゃんと会社がサポートしてあげないとね。
今後、若い子があまり難しいこと考えずに取れるように、もうちょっと育休が文化としてなじんで欲しいなって思いました。
-今後育休を取ろうとする方へのメッセージをお願いします。
育休を取るか取らないか、どのくらいの期間取るのかといったことは人それぞれだと思うので、とにかくパートナーとちゃんと話す、自分だけで決めないことが必要かなって思う。
ただ、育休を一つの選択肢として考えるのはぜひお勧めする。
はなから無いものとするのはもったいないかなと思う。
手放しに良いよと言わないのは大人になったかな。笑
困ったり迷ったりしたらいつでも相談してください。僕の体験談ならいくらでもするよ。
それから、お父さんをやってる人は僕だけじゃないから、もっと周りの人に聞いてみるのも良いのと思う。
聞けば、意外とみんないろいろ教えてくれるし、周りにお父さん経験のあるメンバーは結構いるよってことは伝えたい。