You are firedと宣告されたい?評価制度の理想を追い求めた結果
こんにちは!
採用担当の池田です。
就活時の「髪の色」に関する記事を見かけたので、少し言及させて下さい。
私の就活時代は、当然のごとく、
- 黒髪短髪
- 黒または限りなく黒に近い紺のスーツ
と言われていました。
私の時は誰もがその“常識”を疑うことなんて一切無かったのですが、最近は少しずつその常識が変わってきているようですね。
そして茶髪で就活を望むのは駄目なのか?という問いがあったので、私なりの見解を述べさせて下さい。
結論、
自由=責任が伴う、ことを意識していれば何でもOK。でも相手の土俵に合わせるのがベター。
です。
大前提として、日本の法律や就活のルールとして、髪型や服装については決まっていません。そのため表向きは茶髪や短パンで臨んでもそれだけでNGとなることはないでしょう。
ただ、面接がどういう場であるかは一度考えたほうが良いかもですね。
例えば、弊社は就業規則で髪型や服装について定められておりません。そのため採用担当者である私が、
- 金髪ピアスにカラコン
- 顔にはマイクタイソンばりの入れ墨
- 首元ジャラジャラアクセサリー
の出で立ちでも、それによって会社から罰則を受けることは無いでしょう。
ただ、こんな奴が会社説明会に立っていたら、どうでしょう???
これで優秀な学生が、
池田さんに惹かれて入社を決めました
となる方が大勢いるのであれば、顔面入れ墨以外は明日からやります。
顔面入れ墨は、さすがに家族から勘当され、同窓会でやばいやつになったと噂されて避けられるので今は止めておきましょう(笑)
つまりそういうことです。
就活は企業から判断される場でもあるので、それで候補者の評価が上がるのであればOKですし、ネガティブに働くのであれば無難にするのが一番です。
IT業界であればその辺りの規定は緩い方だと思いますが、社員の方の服装等を見て判断すれば問題ないでしょう。
ちなみに少し毒付きますが、大して成果を出していない人間が、
就活の黒髪やスーツの規制はおかしい!そんなの変えるべきだ!
というのはいかがなものかと思っています。
社会には曖昧なルールが多く存在しており、確かにおかしいと思うこともたくさんありますが、おかしいと思うのであれば、ルールを作る側に回れば良いだけ。というよりそういう企業を受けなければ良いだけ。
日本の就活はおかしなところだらけですが、もし本気でそれを正したいと思うのであれば、
今の就活の流れを作っている企業で偉くなって、変革することをお勧めします。
三菱商事や電通、メガバンクや三井不動産あたりが一斉に舵を取れば変わるんじゃないですかね。
弊社の選考では髪型や服装についての規定は一切ないので、ぜひ気軽にお越し下さい。
ちなみに現在執筆しているのは猛暑が続く夏ですが、こんな暑い時期にスーツにネクタイの方がよっぽど印象悪い気がしますけどね。。。(笑)
というより!!!これ本音ベースの意見ですが、髪型や服装なんかよりも、自身が放つ“におい”を気にしたほうが100倍良いですよ。
梅雨から夏の時期にかけては、本当に生乾きの臭いがひどい方が大勢いますので。。。
さて今回は人事評価制度について触れたいと思います。
評価制度ってそんなに重要!?
評価制度に不満を覚えて転職を検討する方って非常に多いですよね。というよりほとんどな印象を受けており、要は年収や待遇への不満とイコールだからです。
それ以外の理由でも大小様々あると思いますが、現職でしっかり評価されている、厚遇されている方はそう簡単に辞めない印象を私自身は持っています。
サラリーマンにとっては切っても切り離せないほど重要なコトだと思いますが、私自身は評価制度について一切興味無いんです。
会社にとって必要だとは思っていますが、そもそも興味がない。
なぜなら評価って絶対に本人と他人では異なるから。
と言うより、そもそも上司は部下の仕事を全て見ているわけではない、というより不可能ですし、一方部下にとっては些細なことや自分なりに考えて工夫したことをしっかり見てほしいと思うわけです。
でも無理なんです。
だから興味がない。
ただ一つだけ分かりやすい評価制度を挙げるならば、
社員のミッションを明確に、その成果に基づいて評価する
でしょうか。
でもね、これを本当にやったらほとんどの社員がネガティブな影響を受けると思うんですよ。
例えば、戦略コンサルティング会社は評価制度がハッキリしていると言われていますよね。
私は在籍したことが無いので書籍やセミナーレベルで聞いた話になりますが、
昇進基準が非常に明確とのこと。
何をすれば昇進できるのかがハッキリ社内に浸透しており、しかもその仕組みはかなりシステマチック。そこには日本企業にありがちな人望や上司の見識は一切入らないようになっているとのこと。
そして待遇も明確ですよね。
一般的戦略コンサルティング会社は、
- アナリスト
- アソシエイト
- マネージャー
- パートナー
に役職が分かれていますが、役職が1つ上がるごとに年収は倍になるイメージでしょうか。
- アナリスト:500万
- アソシエイト:1000万
- マネージャー:2000万
- パートナー:4000万以上
至ってシンプルで良いですよね。
このように生産性だけを見られ、それをクリアすれば年収がどの程度上がるのが明確な評価制度が多くの会社で適用された場合、果たして評価制度に不満を感じていた方は果たして満足するのでしょうか。
勝手な予想だと、今の日本の状況で適用すれば、別の不満が生じるのではないかなと思っています。
まずは成果の横取り。これは現在においても世界中で起きていると思いますが、よりそれが顕著になることで不満が生じる。
次に人間関係の不和。社員に対してハッキリと成果ラベルを貼っている状況なので、年齢関係なく成果だけで決まる役職によって、上手く物事が進まない事象が起きるでしょう。
そして最後はローパフォーマーによる開き直り。解雇規制が厳しい状況を逆手に取って、いつまでも会社に居続ける方が増えます。一切仕事をしなくてもそれなりの給料を貰えるならラッキーぐらいに思う方がいるでしょうし。年々そのコミュニティが増えるので、それは会社にとって厄介な存在になるでしょう。
このような懸念があるため、個人的に評価制度をガッチガチにすることが多くの人にとって得策ではないと思うんです。
ちなみに戦略コンサルティング会社出身の人がスタートアップベンチャーに参画したり、それこそ起業するケースって多い印象ですが、軸が似ているからだと思うんですよね。
とにかく成果を出さなければいけないし、成果を出せばダイレクトに評価に返ってくる。
そういう姿勢で仕事に臨んでいる方はどの世界でも強い印象を受けています。
ローパフォーマーへの対処方法
上述した戦略コンサルティング会社のような評価制度を導入する上で、様々な懸念をお伝えしましたが、そこで鍵となるのが、
ローパフォーマーへの対応
でしょう。
グローバル企業の対応方法は各社それぞれですが、例えば人事設計において先進的な施策を打ってきたゼネラル・エレクトリック社(GE)は、
Sクラス(最高評価)は徹底的に厚遇、Cクラス(最低評価)は解雇の方向
という手段を取っているようですね。
またNetflixも同じようにローパフォーマーへは解雇の方向で動いています。
一方Googleは多少優しい対応をしており、下位5%の評価を受けた人には成果を出させるためのサポートをし、一定の期間は様子を見るようです。
このように各社それぞれの対応ですが、一つ言えることは対応の方法が会社として明確であること。
日本の企業の場合は、この辺りを非常に曖昧にしますよね。
ローパフォーマーのレッテルを貼られた人に対しては、徐々に接し方が冷たくなる。なぜ評価が低いかの理由も明確にせず、いつの間には孤立する。
解雇しないだけ優しいという見方が出来るかもしれませんが、要は飼い殺しですからね。はっきり言っていじめに近いので、解雇する方がよっぽど親切なんじゃないかなと思っています。
そのような現状において、私が考える最善の方法は、
フィードバックを丁寧かつ真摯に実施すること
だと考えています。
ちなみにフィードバックは評価を伝えるわけではありません。
あなたに期待していることは何で、現状どの程度ギャップがあるのか、またそのギャップを埋めるためにしなければいけないことは何か
これを上司が主業務の1つとしてしっかり実施する必要があるでしょう。
またそれに伴って上司の評価制度の項目に、
部下の指導
を明確に設けるべきで、仮に部下の評価が悪い場合はそれに伴って上司の評価も下げるようにする必要があると思います。
なぜなら部下の評価と上司の評価を連動させないと、上司が適当になりますからね。
そもそも部下の評価が悪い場合は上司(部署全体)の評価も悪いはずなので、至って合理的でしょう。
またそれに伴って、ジョブディスクリプションはもう少し明確にするべきだと思いますね。
海外の場合は採用時の労働契約において、ミッションが明確に定められることが多いですが、日本の場合は
総合職
という謎の職種によって曖昧になっていますよね。
バスケで例えるなら、
- ポイントガードもやるし、
- シューターとしても機能するし、
- センターとしてリバウンド王として君臨する
みたいなことを1人で担う感じでしょうか。
これでS評価貰う人がいたら、どんなスーパースターやねん!っと突っ込みたくなるぐらいですよね。
- 一人一人のミッションが曖昧だからこそ、評価も曖昧になる。
- 一人一人のミッションが曖昧だからこそ、オーナーシップを持たなくなる。
- 一人一人のミッションが曖昧だからこそ、会社に不信を抱き退職する
ちなみにこのような状況が顕在化しているからこそ、フリーランスの動きが加速しているのかなと考えています。
少し話が逸れましたが、フィードバックをしっかりするためには、
- そもそもその社員がどんなミッションを与えられて、
- どの程度達成できていないのかを明確にし、
- 達成するために必要なことを明確に示す引き出しが上司にあること
が求められるので、中々ハードルが高いなーっと思っています。
日本企業は海外を追うべきなのか
- 解雇制度の緩和
- 評価制度の透明化
- ジョブディスクリプションの明確化
これらを実施することは海外企業のやり方を追うことに繋がると思いますが、果たして日本企業にフィットするかと言われれば、正直分かりません。
なぜかと言えば、仕事に対する考え方やウェイトが、日本と海外では異なると考えているからです。
私は海外勤務経験は無いですし、外国籍の方が多い企業で働いたことは無いのですが、1社目ではお客様に外国籍の方を相手にすることは多かったので、その時の話をさせて下さい。
私が特に感じた海外の方に対する考えは、
家族が何よりも優先される
ということ。
人生の優先順位が非常に明確で、家族が絶対に一番。仕事はその次の次の次の次ぐらい(笑)
夜の懇親会には行きたがらないし、トラブルが起きてすぐに対応しなければいけなくても、当初予定していた休みは絶対に譲らない。
狭い範囲での経験なので一概には言えないのですが、The日系企業で働いていた私にとっては非常に新鮮な経験でした。
ここで伝えたいこととして、日本人は仕事の優先順位が非常に高いが故に、仕事に対してセンシティブに捉えている傾向があるということ。
解雇規制を緩和する動きがあると、おそらく多くの企業、団体、人から反対の声が挙がると思いますが、仕事に対してのウェイトがそこまで高くなければ、
まぁ仮に解雇されても何とかなるっしょ
と多少割り切れるのかなと。
何が正しいのかは分かりませんが、全てが合理的であることが正しいわけではないのでこの先どうなっていくのやら。。。
ちなみに以前からブログでもちょくちょく触れていますが、個人的には解雇規制の緩和は必須マターだと思っていて、これが実現されるだけで現在の多くの問題が解決されると思っています。
新卒採用において、
何が何でも新卒切符では三菱商事に入社出来ないと人生終わる
みたいに思う必要が無くなりますからね。雇う側も雇われる側も雇用というものに関するハードルが下がるからこそ、そこまでセンシティブに考えなくて済みます。
まぁ解雇規制が緩和される頃には、新卒採用と言う括り自体が無くなっている可能性大ですが。。。
どうしても日本の労働市場は海外に比べて遅れているという印象をもたれがちなので、いつの日か、日本の働き方や制度こそ、世界の最先端だ!と言われるような日が来ることを祈って、日々HRについて勉強しなければいけないなと思う、今日この頃でした。