はじめに
今回は、ChatGPTが画像の異常検知に使えるのかどうかを検証する。
使用するデータセット
ここでは、画像異常検知の検証実験に広く使われているデータセットMVTecを用いる。検証時に使うツールはChatGPT Plusである。
検証履歴
最初に以下の会話を行う。
もう1枚、正常画像を認識してもらう。
次に、与えた2枚の正常画像の特長を説明してもらう。
さて、ここから正解ラベルが異常である画像を入力してみる。
正解!説明も的確である。
正解!説明も申し分ない。
正解!中央部分の異常を見事に検出している。ただし、これは亀裂や破損ではなく異物混入である。
次に正常ラベルのついている画像を入力してみる。
正解!
不正解!
不正解!ここで次の「追加学習」を命令する。
直前の画像をもう一度入力する。
正解!学習している。
検証結果の考察
以下の検証を行った。
- 最初に2枚の画像を与え、それらを「正常」と認識させた。
- 正常画像の特長を文字で説明させた。
- 次に3枚の異常画像を与えると見事に異常と判断した。
- 一方、正常画像を与えたとき、最初の画像に対しては正しく正常と認識できたが後の2枚は間違えて認識した。
- 間違いを正したあと直前の画像をもう一度入れると正常と認識した。
今回の検証結果から以下のことが言える。
- ChatGPTの画像認識能力は非常に高い。何が写っているかをかなり正確に文字で表現することができる。
- 正常画像から大きくかけ離れた画像は正しく異常と認識できる。また、その根拠を的確な文章で示すことができる。
- 間違えた認識結果をユーザが正すことにより、そのあとの認識精度を上げることできる。
一言で言うと、ChatGPTを使うと「説明可能なAI」と「再学習可能なAI」を実現できるということである。特に、説明可能性は、これまでの深層学習に欠けていた機能である。
まとめ
今回は、ChatGPTを使い画像の異常検知を行ってみた。再学習可能で、かつ、説明可能なAIを実現できる可能性があることが分かった。恐るべしChatGPT。